2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07031
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 講師 (20361074)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 線条体 / 領域化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)本年度は、Cdh20遺伝子の生体内におけるノックダウンを行うために作製した2種類のCdh20shRNA組換えAAV ウイルス(AAV9-U6-Cdh20shRNA-GFP #1, AAV9-U6-Cdh20shRNA-GFP #2)とランダムなshRNA配列を導入したコントロール組換えAAV ウイルス(AAV9-U6-NCshRNA-GFP) の感染効率を検討した。HEK293細胞に希釈したウイルス液を感染させ、36時間後にGFP発現レベルを解析した。すべてのウイルスについて、高効率が確認できた。脳内注入に用いる濃度の参考データを得ることができた。2)昨年度までに、Cdh20の細胞内ドメイン-GST融合タンパク質およびCdh20の細胞外ドメイン(EC4)-GST融合タンパク質を抗原としてモルモットに免疫後、抗体を精製し、ウエスタンブロットによりラット脳内でのCdh20の発現を確認していた。本年度は、これらの抗体を用いて、還流固定した成体ラット脳およびマウス脳から凍結切片を作製し、浮遊法により免疫染色を行った。Cdh20の細胞内および細胞外ドメインに対する抗体について、大脳皮質4, 5層、梨状皮質等において、Cdh20mRNAの分布と同様にタンパク質局在が認められた。細胞内ドメインに対する抗体の方が、発現が強く観察された。しかしながら、ラット線条体でのCdh20陽性細胞は、Cdh20mRNA発現細胞の数と比較して、極めて少数であった。これらのことから、線条体でのCdh20タンパク質の局在について、染色条件等を検討する必要が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ウイルス実験のセットアップに時間を要しており、脳内投与実験を進められなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、in utero injectionによる、ノックダウンAAVウイルスの感染実験、および成体ラット脳への局所的AAVウイルス投与によるノックダウン実験を効率的に進め、初年度に行った神経回路標識により、大脳基底核神経路形成への影響が出るかどうかを明らかにする。また運動異常が生じるかどうかを、food reseachingテスト等により明らかにする。
|
Causes of Carryover |
ウイルス導入実験用ラットの購入費を物品費に計上していたが、実験計画が遅れているため、次年度使用額が生じた。 H30年度は、ウイルス導入実験および行動実験を計画しており、次年度使用額は、これらの実験のための物品費等に使用予定である。
|