2018 Fiscal Year Annual Research Report
Microglial involvement in the pathomechanisms of white matter degeneration
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16K07041
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
他田 真理 新潟大学, 脳研究所, 助教 (30646394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80281012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | microglia / macrophage / HDLS / white matter |
Outline of Annual Research Achievements |
Hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroids (HDLS)は、若年性認知症を呈する遺伝性白質脳症である。原因遺伝子であるColony stimulating factor1 receptor(CSF-1R)が中枢神経系では主にミクログリアに発現していることから、ミクログリアの異常が一次的に病態に関与するミクログリオパチーとして注目されている。しかし、その白質変性機序は未解明である。本研究では、HDLS患者脳組織とミクログリア特異的CSF-1Rノックアウトマウスの組織学的、生化学的解析を行い、ミクログリオパチーであるという観点から白質変性の発生機序解明を試みることを目的としている。 これまでの研究期間においてHDLS患者脳組織の形態学的、生化学的評価を行い、患者脳では、ミクログリアにおけるCSF-1Rの発現低下を認めること、患者の大脳白質では、びまん性の白質変性にも関わらず、Iba1陽性かつ、p2ry12陽性、glut 5陽性のミクログリアと、Iba1陽性かつ、p2ry12陰性、glut 5陰性のマクロファージはそれぞれに群集していること、HDLS患者脳の非変性部位では、Iba1陽性ミクログリアは非疾患脳に比し減少しており、一方、ミクログリアが群集して いる部分には、高頻度に増殖期 (Ki67陽性) のミクログリアが見られること、そして、 ミクログリアに超微形態の異常を認めることを証明してきた。これらの患者脳における観察結果から、HDLSにおけるmicrogliaの異常が確認され、病態への強い関与が示唆された。本年度においては、こうした異常なミクログリアの変化と別種のグリアであるアストロサイトやオリゴデンドロサイト、そして血管などとの変化について検討し、ミクログリアの変化と、それらの変化の相関関係について検討した。
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