2017 Fiscal Year Research-status Report
プリオン病分子病態の解明:新規治療法の開発に向けたインターフェロンシステムの解析
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16K07042
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石橋 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (10432973)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プリオン / インターフェロン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでにMyD88非依存的pathwayの代表的な因子である転写因子IRF3がプリオン感染に対して抑制的に働くことを明らかにしたことより、IRF3の下流に位置するI型インターフェロンを介して、プリオン感染に対して保護的役割を持つのではないかと考えてきた。今年度の研究では、そのI型インターフェロンとプリオン感染との関与を検討するため、継続的にI型インターフェロン受容体遺伝子欠損マウスにプリオン感染実験を行った。プリオン感染は22Lプリオン株脳乳剤を腹腔内投与また脳内投与にて行った。いずれのプリオン感染の条件においても生存期間を確認したところ遺伝子欠損マウスは野生型マウスと比較して統計学的に有意な短縮を認めた。プリオン感染後100日目におけるそれぞれのマウスの脳病理変化についても検討し、HE染色による空胞変性、特異抗体を用いたミクログリオーシスおよびアストログリオーシスさらに異常型プリオン蛋白沈着の程度について検討した。いずれの病理変化においても遺伝子欠損マウスは早期にプリオン病の病理変化が認められた。現在、遺伝子欠損マウス由来の細胞(mouse embrionic fibroblast: MEF)を単離し、SV40 Large-Tの遺伝子を組み込んだMSCVウイルスベクター感染後のpuromycin薬剤選択による細胞の不死化を含めて、Ex vivoプリオン感染実験を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載している項目に沿った実験内容から、結果を得ており、予定通り実験が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験によって得られた新たな知見は、これまでにプリオン感染とI型インターフェロンのシグナル経路を関連づける重要な結果であり、今後、下流のinterferon stimulated genesのプリオン感染への影響と関連づけて検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度は、遺伝子改変マウスでの実験に時間を要したため、使用予定金額に変更が生じたが、次年度に請求した助成金と共に研究項目に対して随時使用する。
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Research Products
(5 results)