2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic strategy for Rett syndrome using genome editing technology
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16K07047
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岸 憲幸 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (30594882)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レット症候群 / MECP2 / ゲノム編集技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群患者はX染色体上のMECP2遺伝子の変異によって引き起こされる神経発達障害で、罹患率は女児1-2万人あたり1人で、女児の知的障害の原因としてはダウン症に次いで2番目に多い原因となっている。レット症候群患者の女児は実はゲノム上に正常なMECP2遺伝子を1コピー持っているという事実をもとに、近年進歩が著しいゲノム編集技術を用いて、不活性化している正常なMecp2遺伝子を再活性化させることを目標にした。 平成30年度は、前年度に引き続き、評価系の細胞として、一方のMecp2遺伝子に変異を挿入して破壊し、もう一方のMecp2遺伝子座に蛍光蛋白GFPをin frameでノックインしたモニター用のマウスES細胞の樹立を目指した。 研究に使用されているマウスのES細胞のほとんどはオス由来で、X染色体を1つしか持っていない。しかしこの研究課題においては不活性化しているX染色体のMecp2の再活性化を解析する必要があり、理研バイオリソースセンターよりBRC6というメスのマウスES細胞株を入手し使用した。 CRISPR/Cas9技術を使い、まず1アリールのMecp2遺伝子の破壊した。変異挿入の確率は高かったものの、in frameの変異が多かったが、最終的に1塩基対の挿入変異が入ったES細胞株を単離することができた。そのES細胞株に対して、Mecp2遺伝子のストップコドン付近にdouble strand breakを生じさせるためのCRISPR/Cas9コンストラクトと、ノックインさせるためのGFP遺伝子を含むドナーベクターを導入し、PCR法にて陽性クローンの検出に成功した。
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