2017 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病におけるオリゴデンドロサイトの関与の解明と治療応用
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16K07056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞木 崇州 京都大学, 医学研究科, 助教 (70762334)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / 血液脳関門 / 血管周皮細胞 / アミロイドβ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、オリゴデンドロサイト前駆細胞(oligodendrocyte precursor cell, OPC)が従来知られている役割を超えて、"circulating pre-OPC"(末梢を循環する OPC)、"perivascular OPC"(血管周囲のOPC)、"parenchymal OPC"(脳実質のOPC)という連続したスペクトラムとして広く存在し、脳内外の各種細胞との相互連携により多彩な作用を有し、脳の恒常性維持に寄与していることを見出してきた。本研究の目的は、アルツハイマー病におけるオリゴデンドロサイト(OLG)とその前駆細胞の関与を解明し、治療応用への基盤を確立することである。これまでの研究実績として、①アルツハイマー病の主要病原タンパクであるアミロイドβ(Aβ)を神経細胞のみではなく、OPC/OLGが産生することや、Aβの前駆タンパクであるAPPのアイソフォームがOPCからOLGへの分化により変化することや、OLGが可溶性APPαを多く産生することにより神経保護的に作用することなども確認した(Hida, Maki, Takahashi, Kinoshita, et al. 投稿準備中)。②Aβオリゴマー投与により、OPC、血管周皮細胞、血管内皮細胞の正常な相互連携が障害され、血液脳関門(blood brain barrie, BBB)の破綻やOPC分化能抑制などにより、AD病態が加速されうることも見出してきた(Toyokawa, Maki, Takahashi, Kinoshita, et al. 投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究内容①②について、神経科学大会(2017年7月)と分子生物学会(2017年12月)で発表し、現在論文投稿準備中の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記論文投稿準備を進めつつ、各テーマにおける詳細な作用機序を追究し、細胞実験から動物実験、臨床応用へと発展させていく予定である。
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Causes of Carryover |
これまでに得られた知見についてより詳細な機序を追究するとともに細胞実験から動物実験や臨床応用への基盤を確立する。
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