2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of peripheral nerve function through post-translational modifications
Project/Area Number |
16K07069
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
馬場 広子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 末梢神経髄鞘 / シュワン細胞 / 翻訳後修飾 / P0 / 脱髄 / NEDD8 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、末梢神経髄鞘のparanode部分にneddylation関連分子が集積していることから、この部分におけるneddylationなどの翻訳後修飾の役割を明らかにすることを目的としている。このため研究期間内に、1)末梢神経内でneddylationされる分子の同定、2)neddylation阻害による髄鞘および軸索機能変化の解析、3)脱髄モデルの病態へのneddylationの影響の解析を行うことを予定して研究を実施してきた。このような翻訳後修飾の解析を行う上で、解析に適したモデルマウスの作製は欠かせない。末梢神経髄鞘タンパク質の約50%を占める主要接着分子であるP0の遺伝子は、ヒトでは脱髄あるいは軸索変性を主体とするCharcot-Marie-Tooth病(CMT)の責任遺伝子として知られている。また、P0遺伝子異常を伴うCMTの病態形成にユビキチンープロテアソーム系が関与することが最近報告されている(VerPlank et al, 2017)。neddylationはユビキチン系の調節に関わる可能性があることから、昨年度CRISPR- Cas9を用いたゲノム編集技術によって作製したP0遺伝子改変マウスが髄鞘の翻訳後修飾を調べる上で適しているかどうかを明らかにするために昨年度に引き続きさらに検討を行なった。その結果、成熟ヘテロ接合体では髄鞘形態の異常が見られるほか、ホモ接合体では髄鞘形態異常とともに顕著な脱髄が認められ、それらの変化は加齢により進行することがわかった。さらに、発達段階のホモ接合体では髄鞘形成が遅れることがわかった。このように翻訳後修飾に関わると考えられている髄鞘タンパク質P0の遺伝子改変マウスでは様々な段階の髄鞘形成異常および脱髄が生じることから、髄鞘における翻訳後修飾の役割を明らかにしていく上で有用なモデルが作製できた。
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