2016 Fiscal Year Research-status Report
動物実験の社会的理解を得るための情報発信のあり方についての研究
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16K07080
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
笠井 憲雪 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (60001947)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 綾子 成城大学, 法学部, 教授 (40349163)
越本 知大 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70295210)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 動物実験の社会的理解 / 動物実験の情報発信 / 動物実験の意識調査 / 動物実験の情報公開 / 動物実験の児童図書出版 / ありがとう実験動物たち / 高校生物教育 / 動物実験倫理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
我が国では動物実験について実施者側から一般市民への情報発信が極めて少ないことから「動物実験の社会的理解を得るための情報発信のあり方についての研究」というテーマで、2016年度から研究を開始した。当初、６つのサブテーマを設定した。それそれの進捗状況については次の項で述べるが、この研究の情報収集及び一部成果の今日表のために班員による次の会議及び講演会等を企画実施した。
2016年5月31日第１回班会議を順天堂大学にて開催し、今後の研究の展開について議論し、６つのサブテーマを基にした研究活動の方向性を決定した。
2016年９月３日帝京科学大学にて「高校生物授業の現状と課題」というタイトルで高校生物教員の方々と会議を行った。2名の高校教員が参加し、班員は6名参加した。高校生物教育における多くの問題点が明らかになり、今後、全国の生物教員へのアンケート調査を行い、実態を明らかにすることが決められた。
2016年10月1日日本実験動物技術者協会総会において「動物実験を市民目線で伝えるためには」というテーマで3名の班員がシンポジストとて、次の講演を行い、参加者との活発な議論が行われた。「動物実験の社会的理解を得るためのコミュニケーションのあり方研究について」「社会における研究者の情報発信の役割―よりよい双方向コミュニケーションのために」「動物実験に関する市民と専門家のアンケートの検討」
2017年3月11,12日セミナー＆シンポジウム「人と動物の関係を考える」～仕切りを超えて思考と情報をつなぐ～を成城大学法学部打越綾子研究室、動物福祉研究会及び当班の平成28年度科学研究費プロジェクト(動物実験の社会的理解を得るための情報発信の研究) の共催で行った。そこでは班員によるセミナー「日本の動物政策について」及びシンポジュウム「ミニ実験動物学」を講演し、参加者との活発な議論が行われた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
６つのサブテーマを設定した。それぞれについて、研究の進捗状況を記載する。
（１）我が国一般市民の動物実験に関する意識を調査：現在、調査票の質問項目を検討して、ほぼ完成した。（２）研究機関等による情報公開の現状と問題点の研究：2001年の情報公開法施行から今日までの動物実験に関する開示請求の事例、特に内閣府情報公開審査会（現在は総務省情報公開・個人情報保護審査会）で審査された事例の収集を行った。
（３）インターネットにより、海外の実例を調査：英国で行われた一般市民の動物実験に関する下記の意識調査結果を班員により日本語訳を行って、状況を議論した。「動物を用いた研究への意識；一般の人々の見解に関する長期調査１999-2014：Ipsos MORI Social Research Institute、The Department for Business Innovation and Skillsへの報告書。（４） 一般市民・児童生徒への出版事例について、その反響や効果を調査する。さらに海外の同様の書籍を調査する：班員により出版された「ありがとう実験動物たち」への反響をすでに80件ほど収集した。また大学等の授業で学生の感想にも収集し、これらを元に解析を開始した。
（５）中学・高校の生物教育等現状の調査：高校の生物教師と班員とで生きた動物を用いた生物教育の現場並びに問題点について議論を行った。生物教育関係学会において会員教師の考え方についてのアンケート調査を企画しており、調査項目について、検討した。（６）情報発信における研究倫理及び動物実験倫理上の課題について：実験動物関係学会において班員による動物実験倫理についての講演を行い、活発な議論を行った。
なお、本テーマについて、学会や一般講演会で研究の報告を行った（研究実績の概要参照）。
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| Strategy for Future Research Activity |
各サブテーマについての今後の計画について述べる。
（１）我が国一般市民の動物実験に関する意識を調査：調査票の質問項目がほぼ完成した。調査実施を依頼する調査会社との打ち合わせを行っており、本年度中の実施と取りまとめを行う。（２）研究機関等による情報公開の現状と問題点の研究：収集された動物実験に関する開示請求の事例について解析し、問題点を明らかにする作業を行う。
（３）海外の実例を調査：このテーマについては、今年度にさらに具体的調査項目を設定して調査を行う。また、動物実験の情報発信について先進的なイギリスの関係機関へ訪問し、実情を調査するための準備をおこなう。実際の訪問は3年目に予定している。 （４）一般市民・児童生徒への出版事例について、その反響や効果を調査する。さらに海外の同様の書籍を調査する：これまでに収集された「ありがとう実験動物たち」への反響について、その内容を解析する。
（５）中学・高校の生物教育等現状の調査：生物教育関係学会において会員教師の考え方についてのアンケート調査実施し、解析を行う。（６） 情報発信における研究倫理及び動物実験倫理上の課題：講演会等で発表を行い、議論を行う。
これらのほか、研究成果公表のためのホームページ作成を開始する。
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| Causes of Carryover |
初年度にあたり、旅費について日当の不支出等により節約した結果、若干の残額が生じた。
また、一般市民への意識調査を予定していたが、調査項目の決定が若干遅れており、実施できなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究期間（3年）の中間期にあたり、宿泊を伴う会議等の開催を予定しており、昨年のと残額を合わせて支出予定である。
また、一般市民への意識調査の調査項目がほぼ出来上がり、本年度上旬に実施予定である。
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Research Products
(11 results)
