2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of new mental disease model mouse by heterochromatin factor HP1 deficiency
Project/Area Number |
16K07090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉原 亨 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00401935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 智恵 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30372486)
浅野 雅秀 京都大学, 医学研究科, 教授 (50251450)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / モデルマウス / 精神疾患 / 不安 / うつ / 行動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティック制御機構の破綻が精神疾患の重要なリスクファクターであることが注目され始めている.本申請では,この制御機構に重要なエピジェネティック制御因子の一つであるヘテロクロマチンプロテイン1 (HP1)γに着目して行動薬理学的解析,分子生物学的解析を行った.HP1γ欠損マウスではオープンフィールドテストや明暗往来テストなどの新奇場面において低活動を呈すること,強制水泳場面での無動時間の増大が見られたことから,新たな不安・うつ様の病態モデルとみなすことを研究の起点とした.行動薬理学的な解析の結果,ヒトに処方される抗不安薬(ジアゼパム),抗うつ薬(フルオキセチン)は低活動性を改善することはなく,HP1γ欠損マウスの低活動性は少なくともGABA神経伝達回路,セロトニン神経伝達回路の機能障害に起因するものではないことを確認した.一方で,低活動性の原因をドーパミン神経系の機能不全であると仮定して,メタンフェタミンを始めとしたドーパミン作動薬を用いた行動薬理学的解析を行った.メタンフェタミン投与下でのHP1γ欠損マウスマウスの活動性上昇は対照群と比較して,より顕著なものであった.この結果に基づき,ドーパミンン神経系に関わる受容体,合成酵素,分解酵素,開口分泌関連の遺伝子発現変動をRT-qPCRによって解析した.これに加えてドパミンの主な投射先である脳領域におけるmRNAの発現量をマイクロアレイで解析したところ,数種類のncRNA の顕著な発現上昇を認めた.
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