2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reclassification of [Pasteurella] pneumotropica and detection of virulence determinants.
Project/Area Number |
16K07095
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐々木 啓 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20384969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保原 禅 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (00221937)
池 郁生 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別嘱託研究員 (40183157)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺パスツレラ / ドラフトゲノム / RTX毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は過去に肺パスツレラと同定された野生株の遺伝子解析と病原性解析を行った。過去に同定された肺パスツレラ野生株のうちでも、複数の肺パスツレラ検出用のPCRで陽性を示し、さらに複数のコロニーで分離され分子タイピングで同一株と見なされた菌株について行った。 ドラフトゲノム解析の結果、ユニークな構造を持つRTX毒素、セラチア属に見出されている溶血素、IgAを不活化すると考えられるEsiBなどのタンパク質をコードする遺伝子が同定された。また、16S rRNAの相同性解析の結果、分離当時は肺パスツレラとしか高い相同性を示さなかったが、多数のRodentibacter属複数種が登録された現在の相同性解析では、R. pneumotropicusやR. heyliiなどとの相同性は低く、Rodentibacter属他菌種と相同性が高いことがわかった。しかしながら、特定の種ではなく、現在の遺伝子解析レベルではRodentibacter sp.としか同定できない菌株であると考えられた。登録データ数が少なかった時代に同定された菌株には、このように肺パスツレラには近いが確定されないよう野生株が多く存在するものと推察された。さらに、これまでの肺パスツレラに普遍的に見られたYadAやLspなどのタンパク質をコードする遺伝子が存在しないこともこれらの菌株の特徴であると考えられた。 免疫不全動物としてRag2マウスを用いて感染実験を行ったところ、5匹中1匹が肺炎と思われる症状で死亡したが、残りのマウスはエンドポイントの2ヶ月では死亡した個体はいなかった。今後、さらに個体数を増やして確認する必要があるが、過去に行った感染実験と比較すると免疫不全動物に対する病原性は肺パスツレラ基準株よりは低いことが示唆された。
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