2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the mechanism of hypoxia stress response in adult t-cell leukemia (ATL)
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16K07120
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中畑 新吾 宮崎大学, 医学部, 講師 (80437938)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低酸素ストレス / 成人T細胞白血病 / NDRG2 / PI3K/AKT / NDRG2 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーはがんで異常を来し、がんの発達や進展に関与することが近年、明らかになりつつある。オートファジーはまた低酸素ストレス応答として活性化されること、またオートファジーの活性化は、NF-κB経路の活性化により促進されることが知られている。今回、成人T細胞白血病(ATL)におけるNF-κBの活性化機構として、NEMOの分解を促進するp47の発現低下がNF-κBの恒常的な活性化をもたらし、CADM1の転写活性化を誘導していることが明らかになった。ATL細胞においてオートファジーは活性化されており、p47発現低下はオートファジー・リソソーム経路に依存していることが示唆された。つまり、オートファジーとNF-κB経路は相互に活性化し、ATL細胞の増殖、生存を促進することが示唆された。これまでに、NDRG2はNF-κB経路を負に制御し、ATL細胞におけるNDRG2の発現回復はNF-κBの活性化を抑制することを報告した。また、NDRG2発現低下は、PI3K/AKT経路の活性化を介して低酸素環境下でのATL細胞の増殖抑制に抵抗性をもたらすことを明らかにしている。従ってNDRG2発現低下は、低酸素ストレスによる抵抗性を付与するともに、NF-κB活性化を介してオートファジー活性化を促進し、ストレス条件下での生存や増殖を促進している可能性が推測された。さらに、ATL細胞に対して、オートファジー阻害剤を投与したところ、オートファジーの抑制に伴い、ATL細胞のアポトーシスが誘導されることを見出した。このことから、オートファジー阻害薬は新規のATLの治療薬となる可能性が示唆され、更なるその詳細な解析が必要であると考えられる。
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