2016 Fiscal Year Annual Research Report
CD204陽性腫瘍随伴マクロファージによる腫瘍増殖促進の機能解析
Project/Area Number |
16K07127
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
西躰 元 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60509941)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マクロファージ / 遺伝子改変動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫系の免疫細胞であるマクロファージは、病原体や死細胞貪食を介して体内の恒常性を保つ重要な役割を担っている。近年、マクロファージは免疫反応の促進もしくは抑制を担う2つの亜集団に大別されることがin vitroの研究より提唱されている。前者はM1マクロファージと呼ばれ、IL-1b, IL-6, TNFαなどの炎症性サイトカインの産生を介して病原体の排除に関与し、後者はM2マクロファージと呼ばれ、IL-10, TGF-βなどの産生を介して免疫反応の抑制に寄与していると考えられている。しかしながら、in vivoにおけるM1、M2マクロファージの存在および機能については明らかになっていない。 In vivoにおけるM1、M2マクロファージの存在および機能を明らかにするため、我々は以前の研究においてM2マクロファージのマーカー遺伝子であるCD204陽性マクロファージを特異的に消去できるマウスを作製した。さらに慢性炎症モデルであるがんにおいて、CD204陽性マクロファージを消去することで放射線治療後の腫瘍の再増殖が抑制されることを見出した。次にCD204陽性マクロファージの機能を詳細に解析するため、急性炎症モデルである敗血性ショックにおけるCD204陽性マクロファージの機能を調べた。敗血性ショック誘導時CD204陽性マクロファージを消去することにより、炎症性サイトカインの異常な上昇および抑制性サイトカインの減少を伴う個体死が見られた。以上の結果より、CD204陽性マクロファージは腫瘍に対する炎症反応を抑制し腫瘍の増殖を助ける一方、敗血性ショックにおいては過度な炎症を抑制し、個体を守る働きを持つことが明らかになった。このことは、CD204陽性マクロファージがin vivoにおけるM2マクロファージであることを強く示唆している。
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