2016 Fiscal Year Research-status Report
新規がん幹細胞関連遺伝子BEX2による静止期がん幹細胞の制御
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16K07132
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 上席主任研究員 (40509262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 康 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (40282074)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胆道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在広く使用されている抗癌剤は、一定の効果は得られるものの、ほとんどの場合はがんの根治にはつながらない。それは、抗癌剤は主に増殖の盛んながん細胞をターゲットととしているため、残存する「がん幹細胞」から再発を引き起こすからだと考えられる。 これまで申請者は、新規がん幹細胞マーカーのスクリーニングを行ってきた。免疫不全マウスにおける造腫瘍能を指標として、多数の表面分子をスクリーニングした結果、頭頚部癌においてはCD271が(PLoS One, 2013)、胆管癌においてはCD274が(Cancer Science, 2014)マーカーとなることを報告してきた。CD274はがん幹細胞の表現型を抑制していたため、再度治療標的分子を探索するために、CD274低発現細胞の中で高発現している分子を造腫瘍能を指標にスクリーニングした結果、BEX2遺伝子が候補として挙がった。個体におけるBEX2の発現を探索したところ、正常組織においては、胎生肝での発現が高く、成人肝では発現が低いことがわかった。また、BEX2ノックアウトマウスは正常に発育することから、正常の個体形成には影響しないことも判明した。したがって、治療標的として極めて有望であると考えられた。本申請課題は、BEX2会合分子の同定および機能解析を中心に、がんにおけるBEX2の役割を明らかにし、その阻害剤を探索することを目的とする。 本年度は、阻害剤探索のための実験系の確立を行った。ハイスループットスクリーニングに耐えられる実験系の確立に成功し、現在阻害剤を探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はなく、予定通り推進する。
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Causes of Carryover |
ノックアウトマウスの解析は、次年度に多数の個体を解析する必要がでたため、予算計画を見直した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した予算の大部分を、ノックアウトマウス解析の消耗品に当てる。
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