2017 Fiscal Year Research-status Report
マイクロサテライト不安定性を呈する大腸癌のゲノム・エピゲノム解析
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16K07143
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 敏明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30647540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 聡明 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80210920) [Withdrawn]
石原 聡一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (00376443)
山口 博紀 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (20376445) [Withdrawn]
河津 正人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (20401078)
野澤 宏彰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)
川合 一茂 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80571942)
畑 啓介 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60526755)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロサテライト不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 既に130例の高頻度マイクロサテライト不安定性を呈する大腸腫瘍の次世代シーケンサーによる全エクソンシーケンスが終了した。ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を有するリンチ症候群随伴大腸腫瘍とミスマッチ修復遺伝子の体細胞変異を有する所謂リンチ様大腸腫瘍の変異プロファイルが類似し、それらはMLH1メチル化大腸癌とは変異プロファイルが異なることが明らかとなった。MLH1メチル化大腸癌は、リンチ症候群随伴大腸癌より右側に多く発症し再発後の予後が不良であった。また、KRAS、BRAF、PIK3CA、APC、RNF43、TP53などの既知の変異、NTRK1、NTRK3、RET、BRAF等の融合遺伝子が複数の症例で認められた。 2) 網羅的解析で同定された候補遺伝子変異について遺伝子発現ベクターを作成し、細胞生物学的な実験(ルシフェラーゼアッセイ、3T3細胞を用いたトランスフォーメーションアッセイ、ヌードマウスを用いた造腫瘍能の検討)を行った。BRAF(K601E)がBRAF(V600E)と同様な発がんドライバー変異であることが示された。 3) DNAミスマッチ修復蛋白の免疫染色を行い、MLH1メチル化群ではMLH1とPMS2の免疫染色が陰性であり、MSH2とMSH6の免疫染色が陽性であることを確認した。また、シーケンスによる変異情報と対比することにより変異が妥当であるということが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定以上にマイクロサテライト不安定性を呈する大腸がん症例を収集でき、高頻度マイクロサテライト不安定性を呈する130の大腸腫瘍の全エクソン解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例を集積し、予後などの臨床情報を詳細に解析することで、高頻度マイクロサテライト不安定性を呈する大腸がんを鳥瞰することを目指す。
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