2017 Fiscal Year Research-status Report
血漿遊離DNAを用いた小細胞肺癌の新たな低侵襲的診断法の確立
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16K07154
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
梅村 茂樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (80623967)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / バイオマーカー / 血漿 / 代謝解析 / ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 血漿を用いた代謝解析・メタボローム解析 平成29年度は、平成28年度に引き続き10例の血漿検体(小細胞肺癌:5例、非がんコントロール:5例)を用いて、代謝解析・メタボローム解析を実施した。平成28年度までに代謝解析を実施した検体や、臨床試験の付随研究で代謝解析を実施した検体を加えて、合計66例(小細胞肺癌:51例、非がんコントロール:15例)の代謝産物プロファイルが得られた。この66例において、小細胞肺癌の血漿と、非がんコントロールの血漿の代謝産物プロファイルを比較したところ、非がんコントロールと比較して、小細胞肺癌血漿検体でcis-Aconitic acid、isocitric acidの定量値が有意に高く、これらが小細胞肺癌に特徴的な血漿代謝産物である可能性が示唆された。その他に、小細胞肺癌の治療効果・副作用予測バイオマーカーとなり得る血漿代謝産物の候補を複数同定した。
2. データベースの作成 平成29年度も、引き続き臨床情報の収集およびデータベースの構築を実施した。1.で代謝産物プロファイルが得られている小細胞肺癌51例につき、年齢、性別、喫煙指数、病期、腫瘍マーカー、化学療法レジメン、治療効果、再発の有無、生命予後、遺伝子変異プロファイルなどの臨床因子を抽出した。また、1.で代謝産物プロファイルが得られている非がんコントロール15例についても、病理診断、年齢、性別、喫煙指数、合併症、生命予後などの臨床因子を抽出した。なお、国立がん研究センター東病院、肺癌データベース(肺癌全体 約17000例)の中から、十分な量の新鮮凍結血漿が保存されていて、次年度以後の解析対象となり得る小細胞肺癌症例を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度までに小細胞肺癌51例、非がんコントロール15例、合計66例の血漿代謝産物プロファイルが得られ、小細胞肺癌に特徴的な血漿代謝産物の候補も同定できたため、研究の進捗はおおむね順調である。しかし、臨床検体(血漿)の代謝解析が少し遅れたため、一部は平成30年度以後に繰り越しとした。
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Strategy for Future Research Activity |
小細胞肺癌では、ゲノムバイオマーカーに基づき様々な分子標的治療薬の臨床試験が行われたが、未だに新規標的治療が確立していないのが現状である。小細胞肺癌においては、ゲノムバイオマーカーに基づいた治療開発には限界があるため、今後はゲノムを超えた、新しい概念に基づいたバイオマーカーの創出が必要である。研究開始当初は、血漿遊離DNAを用いた診断法の開発およびゲノムバイオマーカーの確立を目的としていたが、平成29年度以後は、より表現型に近い代謝産物を用いた血漿バイオマーカーの開発を中心に行うことにより、画期的な治療効果予測・副作用予測バイオマーカーを確立し、難治性小細胞肺癌の診断や治療開発に貢献することを目標とする。
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Causes of Carryover |
(理由) 臨床検体(血漿)解析が少し遅れたため。 (使用計画) 研究全体の進捗には大きな遅れはなく、平成30年度に行う解析に必要な試薬等の購入に用いる予定である。
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