2016 Fiscal Year Research-status Report
がん微小環境の免疫抑制機構に抵抗性のCAR-T細胞による固形がん治療
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16K07167
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
王 立楠 三重大学, 医学系研究科, 産学官連携研究員 (00589484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 琢磨 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (60224515)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CAR / :Gene Therapy / GITR |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)In vitroでのzG型CAR-Tと28z型CAR-Tの機能比較 我々が作製した28z型CAR-Tを用いた細胞輸注においては、生体内における抗腫瘍効果はCD8+ CAR-Tが担っており、CD4+ CAR-Tは寄与していなかった.そこで、本研究では28z型もしくはzGCD8+ CAR-Tを用いた、機能assayを測定した。その結果、28z、zG型CD8CAR-T細胞はCEAを発現させたMC32a(CEA+)に対してCEA特異的な細胞傷害性を示した。また、zG型CAR-Tの細胞傷害活性は28z型CAR-Tと同程度であった。。次に、Fig. 4Cと同様の細胞を用いて、MC38またはMC32aと混合培養し、細胞内サイトカイン染色(Intracellular Cytokine Staining; ICS)を行い、107aとIFNγ、TNFαの産生量の測定をした。その結果、細胞傷害活性と同様、zG型CAR-Tのこれらサイトカインの産生能は28z型CAR-Tと同程度であった。2)zG型In vitro における Treg 抵抗性の比較 次にGITRシグナルにはTreg抵抗性があることがわかっているため、zG型CAR-Tの抗腫瘍効果の高さの要因として、Treg抵抗性について検討した。まず、zG型CAR-TのTreg抵抗性の評価をin vitroで28z型CAR-Tと比較して行った。CAR-Tの標的細胞としてMC32a GFP-OVAを用いた。TregはH-2b拘束性にOVAを認識するTCRトランスジェニックマウスであるOT-Ⅱマウスの脾臓から回収した。OVAをTregに提示すために、WTマウスの脾臓細胞に放射線を35 Gy照射し、抗原提示細胞(APC)とした。これらのCAR-T、MC32a GFP-OVA、APC、Tregを混合培養し、上清を回収した。またTregを加えない群も作成し、対照群とした。この上清中のIL-2濃度をELISA法を用いて測定した。Treg非混合群のIL-2濃度を100%とし、Treg混合群のIL-2濃度を算出した。28z型CAR-TはTregによりIL-2濃度が24%まで減少した。しかし、zG型CAR-TはTregによりIL-2濃度が変化しなかった。よって、in vitroにおいてzG型CAR-TはTregによる免疫抑制に対する抵抗性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応募内容に基づいて、平成28年研究計画は全て完成している。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoでのzG型CAR-Tと28z型CAR-Tの抗腫瘍活性の比較 in vitroとin vivoでの抗腫瘍機能には必ずしも同じにはならず、そこには乖離があることが知られている。そこで、WTマウスを用いてCAR-Tの輸注療法の際のin vivoでの抗腫瘍効果について解析する。WTマウスにMC32aを皮下に担癌し、7日後にzG型もしくは28z型CAR-Tを1×106静脈注射を行い、腫瘍径を測定する。輸注細胞はCD45.1 コンジェニックマウスの脾臓細胞をanti-CD3抗体とanti-CD28抗体で刺激し、1日後にレトロネクチンとヒトIL-2で刺激すると同時にCEA特異的zG型もしくは28z型CARレトロウイルスベクターで導入させ、4日後にCD8+ CAR-T細胞をセルソーターで回収したものを静脈注射する。マウスには前処置として、輸注2日前にFludarabine 2.5 mgを静脈注射し、前日にFludarabine 2.5 mgとCyclophosphamide 2.5 mgを静脈注射し、担癌後経過観察により、zG型もしくは28z型CAR-Tより抗腫瘍効果が検討する。
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