2018 Fiscal Year Research-status Report
化学療法・放射線治療を促進するエンドセリンB型受容体アゴニストの創薬展開
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16K07172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 知子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00397580)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | GPCR / ペプチドホルモン / 3量体Gタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ETBRが高い親和性を保持しているET-1の8-21残基のペプチドに相当するペプチド N-acetyl-[Ala11,15]ET-1(8-21) を基礎として、各アミノ酸をアラニンに変換したペプチド11種類を調製して、3量体Giタンパク質の活性化能を測定した。評価系には、昆虫細胞から発現精製したETBRと組み換えapo-A1、リン脂質からなるナノディスク、過剰の3量体Giタンパク質を再構成させたシステムを用いた。この結果、D8, F14, I20の変異は、Gi活性化のpotency を著しく低下させ、Y13, L17, D18の変異は、efficacyを60%程度に低下させた。 ET-1のC末領域は膜貫通領域における水分子の水素結合ネットワークの再構築によって、活性型構造を誘導する一方、ヘリカル領域にあるD8はリガンド結合親和性に重要であり、Y13,F14も活性化のpotencyやefficacyに大きく影響することが明らかとなった。 さらに、これらの側鎖と相互作用するETB受容体側の残基の変異体解析を行った。この結果、受容体のN末テールの膜近傍領域やヘリックス7の細胞外近傍領域とアゴニストとの相互作用が受容体の活性化に重要であることが明らかとなった。また、ヘリックス6の相互作用残基の二重変異体は親和性を大きく低下させ、結合性に影響するこちが判明した。これらのリガンド―受容体間の相互作用の役割は、今後の新たなアゴニスト設計に重要な情報となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エンドセリンは21残基のペプチドリガンドであり、8-21残基部分が全体にわたり受容体にすっぽりと包まれて広く相互作用する。また、N末端領域も膜貫通領域と相互作用する。このような多数の相互作用の中から、受容体活性化に重要な相互作用、リガンド結合性に重要な相互作用を特定することができ、ETBRアゴニストの開発設計に生かせると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ET-1とET-3は、ETBRに対して同等の親和性を示し、同じように結合する非常に類似した内在性ホルモンであるが、ETBRの変異に対する感受性が大きく異なる。なぜ、このような違いが起きるのかは不明であり、今後、完全活性型構造の解明が必要である。この知見はアゴニスト設計において、重要な情報となる。 サブタイプ選択性に関する追及ができておらず、ETBRで解明された各部分の役割が、ETARにおいてはどのように果たされているのかを今後、検証する必要がある。
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Causes of Carryover |
2018年度後半に体調不良となり、治療のために十分な研究を実施することが困難でした。このために、計画していた実験が十分に実施できませんでした。 現在は研究活動を実施することができ、計画していた実験を継続しており、本年中にこの研究をまとめ論文投稿を計画している。
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Research Products
(1 results)