2017 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント機構の制御能力を有する新規CAR-T細胞療法の開発
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16K07176
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐古田 幸美 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30629754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 耕治 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00615841)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | キメラ抗原受容体 / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遺伝子改変技術を利用して免疫チェックポイント分子を阻害するscFv産生CAR-T細胞を作製し、これをがん患者体内へ投与することによりがん局所における免疫抑制システムを回避し、より効果的な抗腫瘍効果を誘導することを目的とする。H28年度はヒトCD20を標的とする「コントロールCAR-T細胞」と「scFv産生CAR-T細胞」のがん細胞に対する障害活性の比較検討を実施した。「scFv産生CAR-T細胞」をターゲットであるヒトCD20を発現する肺がん細胞株3LLと3日間共培養したところ、「コントロールCAR-T細胞」と比較し優位に腫瘍細胞の減少を認めたことから、「scFv産生CAR-T細胞」はin vitroにおいてがんに対する障害活性を増強することが明らかとなった。 H29年度は、「scFv産生CAR-T細胞」のin vivo抗腫瘍効果を検討するため、ヒトCD20を発現する肥満細胞腫P815細胞をマウスへ皮下接種し、放射線照射の前処置後、「コントロールCAR-T細胞」または「scFv産生CAR-T細胞」を静脈内投与し腫瘍増殖を評価した。「scFv産生CAR-T細胞」投与群では「コントロールCAR-T細胞」投与群に比較し統計学的に優位な生存率の延長を認めたことからin vivoにおいても抗腫瘍効果の増強を誘導することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は予定していたin vivoにおける効果検討を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、「scFv産生CAR-T細胞」の抗腫瘍効果のメカニズムを解析するため、in vitro共培養アッセイにおけるCAR-T細胞の数および機能を検討するとともに様々な免疫チェックポイント分子の発現レベルを評価する。また、マウスモデルにおける腫瘍局所のCAR-T細胞の数や機能についても解析する。
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Causes of Carryover |
(理由)メカニズム解析のためのin vivo実験が次年度にずれこんだため、その購入および飼育費、また必要な試薬の購入費の一部が差額となった。
(使用計画) マウスを用いたin vivoにおけるメカニズム解析を実施するための費用に用いる。
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