2018 Fiscal Year Research-status Report
難治性多発性骨髄腫のヒト化抗CD26モノクローナル抗体を用いた分子標的療法の開発
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16K07180
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西田 浩子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80317130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健人 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60230463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CD26 / 骨髄腫細胞 / ヒト化抗CD26モノクローナル抗体 / SP細胞 / 破骨細胞 / 骨髄間質細胞 / 骨髄微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
14種類の骨髄腫細胞株を用い、Hoechst33342による染色により、各々のSP分画の割合をフローサイトメトリー(FCM)を用い解析を行ったところ、2種類の細胞株において、SP細胞の存在が認められた。そこで、これら、SP分画を有する骨髄腫細胞株2株を用い、破骨細胞と共培養を行い得られた骨髄腫細胞におけるSP細胞、MP細胞のCD26発現についてFCMを用い、解析を行なったところ、双方ともにCD26陽性で、SP細胞では、MP細胞と較べCD26発現が増強することがわかった。これらの細胞株にレブラミド(0.5μM, 5μM)添加を行い、SP細胞の割合の変化をFCMを用い解析したところ、いずれの株でもSP細胞の割合の減少は認められなかった。次に、E/T比10でヒトNK細胞添加下、ヒト化抗CD26モノクローナル抗体10μg/ml添加を行うと、双方の株でSP細胞の割合は減少し、レブラミドと抗CD26抗体の併用投与を行うと、SP細胞の割合はさらに、著明に減少することが明らかとなった。 次に、骨髄微小環境を構成する骨髄間質細胞と共培養を行った骨髄腫細胞株のCD26発現を免疫蛍光染色を用い、調べたところ、CD26発現が亢進することがわかった。そこで、Caclein-AMでラベルした3種類のCD26+骨髄腫細胞株を間質細胞で覆われたプレートに添加し、各濃度の抗CD26抗体添加を行い、4時間後に非接着系細胞を除去し、接着細胞の蛍光強度をプレートリーダーを用い測定を行った。すると、いずれも細胞も抗体濃度依存性に、間質細胞との接着能の低下を認めることがわかり、CD26抗体はCD26+骨髄腫細胞と間質細胞の接着阻害に関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定とは少し異なるが、非常に興味深い結果であるため、最終的に得られる科学的な価値は高いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
多発性骨髄腫の再発・治療抵抗性の原因として、骨髄腫幹細胞の存在や、抗体療法継続による骨髄腫細胞の表面抗原の発現変化との関連について解析を行い、新規抗体療法の有用性および機序について解析を行う。さらに、臨床サンプルを使用した骨髄腫細胞のCD26発現と臨床予後との関連についての解析も予定している。
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Causes of Carryover |
フローサイトメトリーを用い、腫瘍細胞のソーテイング実験を行なう際の、機械使用料、技術料として使用するため、10万円の前倒し請求を行なった。当初の予定通り、実験を行なったが、ソーテイングについては、単染色による予備実験を行うにとどまり、当初予定していた重染色(二重染色、三重染色)によるソーテイングについては次年度に持ち越しとなたっため、次年度使用額が生じた。次年度は、機械使用料、抗体試薬代に使用する。
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Research Products
(5 results)