2017 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーによって生成されるエピトープによる抗腫瘍効果の解析
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16K07192
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
岡村 文子 (出町文子) 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, 主任研究員 (10546948)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オートファジー / CTL / TCR |
Outline of Annual Research Achievements |
K-RAS遺伝子の変異を有する膵臓がんで誘導されるオートファジーによって切断されることで生成されるCTLエピトープ特異的CTLからT細胞受容体遺伝子をクローニングした。得られた遺伝子がCTLと同等の特異性を持っているかどうかを調べるために、Jurkat-T細胞にレトロウイルスベクターで導入して発現させた。その結果特異的なVbeta5.3を発現することが明らかとなった。またJurkat-T細胞にIFN-gamma応答性エレメントを導入した細胞を用いて、TCR移入Jurkat-T細胞において、ペプチド特異的な反応性を調べた。CTLクローンよりは感度が低いが、ペプチド特異的なIFN-gamma産生が検出されたことから、TCR-T療法をマウスモデルで検討するのに使用できるものと考えられる。またTCR-T療法で重要な内在性TCRの抑制を検討するために、現在新しいコンセプトでコンストラクトを構築しているところである。来年度はこれを使用してマウスモデルでTCR-T療法でどれくらい治療効果があるかどうかを検討する予定である。 また、オートファジー介在性エピトープを探索する手法として、計画では特異的なCD8陽性T細胞やCD4陽性T細胞を誘導した後エピトープを同定する方法を予定していた。しかしながら、近年マススペクトメーターの改良、手法の改良が進んだHLA ligandome解析に切り替える予定である。すでに手法を確立された研究室に赴き研究手法を習得してきた。今年度はその準備期間として抗体の準備を進めた。オートファジー介在性エピトープが真のCTLのターゲットとして有用なものなのかどうかを評価するために、入手困難なヒトサンプルではなく自然発症膵臓がんモデルマウスを用いて検討を行うべく準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジー介在性エピトープをターゲットとした膵臓がん治療がどれくらい有用かin vivoで検討するためのTCR遺伝子を取得して準備することができたため。 また、ダイレクトな証拠を得るためのHLA ligandome解析の準備を開始できたため、進捗状況としては概ね順調であると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはマウスモデルでの検討を行って、in vivoでの効果を示していきたいと考えている。この効果が見られることで概ねの目的は果たせるものを考えられる。一方でこのアイディアの汎用性を示せるかどうかが非常に重要なポイントである。HLA ligandome解析においてきっちりデータを出したい。オートファジーのある状態とない状態のデータを比較することでオートファジー介在性エピトープの存在を確認することで、CTLのターゲットとしての意義が確かめられると考えている。
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Causes of Carryover |
概ね予定していた物品などを購入して予算額をほぼ使い切ったが他に使用する予定がなかったため次年度に持ち越した。
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Research Products
(2 results)