2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K07194
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森田 純代 群馬大学, 生体調節研究所, 研究員 (40589264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑田 出穂 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (50212147)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インプリンティング / 肥満 / 父性遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
食事誘導性肥満になりやすいB6マウスと食事誘導性肥満になりにくいPWKマウスを交配し、F1マウスで解析をおこなったところ、食事誘導性肥満は父親から遺伝することを見い出し、さらにこの現象は父性インプリント遺伝子であるIgf2とPeg3の発現が関係していることを明らかにした(Morita S, et al. 2014)。そこで父性由来アレルにおける遺伝子発現変化が食事誘導性肥満を引き起こしているのではないかという仮説のもと、マウス白色脂肪組織における次世代シーケンサを用いたRNA-seq解析を行い、何が次世代に伝わっているのかを明らかにしようとした。 平成28年度は①食事誘導性肥満になりやすいB6、②食事誘導性肥満になりにくいPWK、それらを交互に交配した③(PWK×B6) F1と④(B6×PWK) F1の4種類の白色脂肪組織における次世代シーケンサを用いたRNA-seq解析を行った。次に父性遺伝する食事誘導性肥満のメカニズムを明らかにするために、父性アレル依存的に変化する遺伝子群を抽出し、その解析を行った。例えば、食事誘導性肥満によりB6および(PWK×B6) F1で発現変化があるが、PWK、(B6×PWK) F1では発現変化がない遺伝子群を抽出し、その遺伝子群にどのような傾向があるかを調べた。B6の父親アレル依存的に炎症やmetal ion transport、ciliumに関連する遺伝子発現変化があることが明らかとなった。 さらにインプリント遺伝子の発現解析を行った結果、父性インプリント遺伝子は食事誘導性肥満において発現が減少している傾向にあることが明らかとなった。 また多型を利用して新規インプリント遺伝子を探索したところ、新規インプリント候補遺伝子を見つけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①食事誘導性肥満になりやすいB6、②食事誘導性肥満になりにくいPWK、それらを交互に交配した③(PWK×B6) F1と④(B6×PWK) F1の4種類のマウス白色脂肪組織における次世代シーケンサを用いたRNA-seq解析を行い、遺伝子発現変化の傾向を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シーケンサを用いたRNA-seq解析を行って得られたデータより、食事誘導性肥満において父性アレル依存的に変化する遺伝子群の中から特に重要と思われる遺伝子を取り上げて解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサのデータ解析等が順調に進んでいるため、研究分担者の分担金を使用する必要がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次世代シーケンサのデータ解析より抽出した遺伝子群の解析に使用する予定である。
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