2018 Fiscal Year Annual Research Report
Phosphorylation netowork analysis based on in vitro kinase-substrate relationships
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16K07198
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 直幸 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50545704)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プロテオミクス / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内のシグナル伝達を行う上でタンパク質の可逆的リン酸化は非常に重要な役割を果たしているが、その基質特異性やシグナル伝達における役割など十分な知見が得られていない。本研究では、細胞内におけるタンパク質間のリン酸化ネットワークの網羅的な解析を目的とし、in vitro反応試験によって得られた基質情報から各キナーゼの基質モデルを構築し、キナーゼの生理条件下における基質の予測および検証を行う。 本年度の研究では、刺激を与えた細胞に対して大規模なタンパク質リン酸化解析を行い、予測したキナーゼ-基質間情報の妥当性の評価を行った。上皮成長因子(EGF)による刺激によりリン酸化レベルが有意に変動したリン酸化部位に対する責任キナーゼを各キナーゼのPWM(position weight matrix)に基づくスコアによって予測した結果、EGFR signaling pathwayまたはMAPK signaling pathwayに属するキナーゼ群が高スコアを有するキナーゼとして抽出された。KSEA法など既存の予測法と比較しても、上記パスウェイに属するキナーゼ群の活性化をより高い確度で予測することが出来た。また、EGFRの阻害薬であるゲフィチニブを用いて同様の実験を行ったところ、同様なキナーゼ群の活性化予測されたことから、本方法による責任キナーゼ予測の妥当性が示された。 また、ヘリコバクター・ピロリ菌におけるシグナル伝達解析を行うため、ゲノム未知生物種に対するプロテオーム解析手法を開発し、大規模なリン酸化情報の取得を行った。その結果、約80個のリン酸化部位が同定され、バクテリアに固有なリン酸化モチーフが観測された。
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