2016 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症における環境要因のエピゲノム解析と分子病態の解明
Project/Area Number |
16K07210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
兪 志前 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (60451639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 環境要因 / エピゲノム / Poly I:C |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期母体免疫ストレス動物モデルを用いて胎児成長後の脳前頭前野を対象にDNA メチル化状態を次世帯シークエンシングで網羅的に解析した.統合失調症動物モデルとして,胎生期のウイルス感染(免疫ストレス)として妊娠期に母体にPoly I:Cを投与したマウスから生まれた仔が成獣後に行動変化を示すことから(Ozawa et al., 2006), 本研究は妊娠14 ~ 19 日目の母親 BALB/c マウスにPBS または Poly I:C( 5 mg/kg)を 毎日 1 回、トータル 6 回腹内注射した.生まれた仔マウスの体重を測定し, PBS対照群と比べて有意な変化が認められなかった.さらに,これらの仔マウスが成長後(8 週)に,オープンフィールドおよびプレパルス抑制テストによる精神行動を評価し,Poly I:C 投与による成長後の多動傾向と雌性仔マウスにおけるプレパルスインヒビション(PPI)の顕著な低下が認められた.行動評価終了後に,マウスから脳前頭前野を摘出してRNA およびDNA を抽出する.ChIP-seq およびマイクロアレイのデータ解析は,Poly I:C投与した雌性仔マウスにおけるメチル化の増加が認められ,さらに,GREAT ontology toolを用いて各ピークに対応する遺伝子をマッピングした結果,統合失調症関連遺伝子(7個)の発現が顕著に変動した.また,Real time PCRおよびパイロシークエンシング法を用いて,これらの遺伝子(2個)の発現量およびエクソン領域におけるメチル化の変化が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マウスを対象とするChIP-seqおよびマイクロアレイのデータ統合が全て終了した.さらに、遺伝子のメチル化部位の特定を確認しており,Real time PCRのデータと一致することが確認された.当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
東北大学倫理委員会および福島県立医科大学の倫理委員会で承認されたプロトコルに従って福島県立医科大学・精神疾患ブレインバンクで集積された統合失調症罹患者(19例)の死後脳凍結前前頭前野検体からRNA およびDNA を抽出する.また,東北大学倫理委員会で承認されたプロトコルに従ってStanley Medical Research Instituteから入手した統合失調症(35例)および健常者(35例)の死後脳前頭前野のRNA およびDNAを対象に,パイロシークエンシングおよびReal time PCR法を用いてマウスで確認された遺伝子メチル化および発現変化を検証する.
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