2018 Fiscal Year Annual Research Report
Bioinformatics analyses to search for ribosomal peptide biosynthetic genes from filamentous fungi
Project/Area Number |
16K07226
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長野 希美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (70357648)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 糸状菌 / ゲノム / 遺伝子 / リボソーム・ペプチド / バイオインフォマティクス / 酵素 / 二次代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに同定したustYaホモログ遺伝子近傍に存在するRiPS前駆体候補遺伝子1641個の遺伝子産物のシグナルペプチド部分を除くアミノ酸組成の解析を行った。 芳香族アミノ酸(Phe、His、Trp、Tyr)は、平均9.2%となり、ustiloxin前駆体ustAの8.2%と同程度、Asperipin-2a前駆体の17.5%よりは少ない数値となったが、ustYaホモログ遺伝子が作用するのが芳香族アミノ酸なので、妥当な含有量があると考えられる。塩基性アミノ酸(Lys、Arg)は、13.1%で、ustA(16.1%)、Asperipin-2a前駆体(18.2%)よりは少ない数値であるが、Kex2切断部位を含む筈なので、妥当な含有量であると考えられる。酸性アミノ酸(Asp、Glu)は、17.7%で、ustA(22.4%)、Asperipin-2a前駆体(21.3%)よりは少ないものの、塩基性アミノ酸の含有量よりも多かった。酸性アミノ酸は、Kex2切断部位の塩基性アミノ酸を中和する働きがある可能性がある。更に顕著な傾向は、硫黄原子を含むアミノ酸・CysとMetの含有量がそれぞれ0.6%、0.8%と低かった。ustA(Cys;0.0%、Met;0.0%)、Asperipin-2a前駆体(Cys;0.0%、Met;0.8%)共に、硫黄原子を含むアミノ酸の含有量が低いことから、CysとMet は、RiP生合成を妨げる可能性が高いと考えられる。 こうしたアミノ酸組成の傾向は、Pezizomycotina由来の前駆体遺伝子とAgaricomycotina前駆体由来遺伝子で比較しても、差は見られなかった。また、ustYaホモログ遺伝子近傍にないRiPS前駆体候補遺伝子(27,391個)と比較すると、芳香族アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸の含有量が多く、CysとMetが少ないことも判明した。 また、ドメイン予測の結果に基づき、Pfamの機能既知の領域を含む遺伝子は、RiPS前駆体候補遺伝子から外すことにしたので、RiPS前駆体候補遺伝子は1479個に絞られた。
|