2018 Fiscal Year Research-status Report
DNA二本鎖切断修復機構で働くヒトMre11複合体の酵素活性とその制御機構の解析
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16K07255
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古郡 麻子 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (90546293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建部 恒 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (00596819)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DNA修復 / 相同組換え / 二本鎖DNA切断 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトMre11/Rad50複合体は様々なゲノムDNA安定維持機構において重要な役割を果たしていることが知られている。特にDNA二本鎖切断修復機構や相同組換えには必須の因子であることが報告されているが、ヒトMre11/Rad50複合体がDNA上でどう働いているか、またその活性はどのように制御されているかといった詳しい分子機構については不明な点が多い。このMre11/Rad50複合体はウイルス・大腸菌から真核生物まで広く保存されていることが知られている。私たちは以前、大腸菌Mre11/Rad50複合体がDNA末端依存的な二本鎖DNA切断型エンドヌクレアーゼ活性を持つことを見出した。本計画ではこの二本鎖DNA切断型エンドヌクレアーゼ活性がヒトMre11/Rad50複合体にも保存されているかを調べることを目的としており、これまでヒトMre11/Rad50複合体の高度精製法の確立およびヌクレアーゼ活性の解析を行なってきた。更にヒト一本鎖DNA結合蛋白質やDNA末端結合蛋白質がヒトMre11/Rad50複合体のヌクレアーゼ活性に与える影響について解析を進めてきた。平成30年度には末端を磁気ビーズ担体に固定した二本鎖DNAを基質としてヒトMre11/Rad50複合体のヌクレアーゼ活性を調べ、ヒトMre11/Rad50複合体が二本鎖DNA末端を切断する活性を持つことを見出した。この活性は大腸菌二本鎖DNA切断型エンドヌクレアーゼ活性とは異なる切断様式を示したものの、DNA末端結合タンパク質存在下でも見られることからエンドヌクレアーゼ活性であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年1月1日をもって所属機関を異動したため、機器移設等の理由により実験計画に遅れが生じた。そのため予定していた実験計画のうちいくつかの実施が完了せず、補助事業期間の延長を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画の実施は予定より遅れているものの、実験実施上の大きな問題は生じておらず、このエンドヌクレアーゼ活性およびその制御機構の詳細についての解析は順調に進んでいる。またこれまでの研究成果を含めたヒトMre11/Rad50についての学術論文投稿を進めており、本年度中に予定した実験計画を完了できると考えている。
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Causes of Carryover |
平成30年1月1日をもって所属機関を異動したため、機器移設等の理由により実験計画に遅れが生じた。そのため予定していた実験計画のうちいくつかが完了しなかった。また目的達成のため遺伝学的解析の必要が生じ、年度途中に新たに分担研究者を加えて実験を開始した。これらの理由により、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)