2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular basis of acceleration of base-pairing between sRNA and target mRNA by Hfq
Project/Area Number |
16K07259
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
森田 鉄兵 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (10444366)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小分子RNA / 転写後制御 / Hfq / 大腸菌 / 転写終結 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、大腸菌機能性小分子RNA(sRNA)の機能構造に焦点を当て、sRNAの機能に必要なタンパク質因子Hfqの作用の研究を進めてきた。その中で、Hfqをコードするhfq遺伝子の発現制御について興味深い結果を得た。そこで、hfq遺伝子の発現制御の研究に着手した。これは、細胞内におけるHfq作用を理解する上で、極めて重要な課題である。Hfqは、sRNAに加えて、hfq mRNAに直接結合しhfq mRNAの翻訳を阻害することで自己の発現を制御すると考えられていたが、詳細なメカニズム、及び生物学的意義については不明であった。本研究において、Hfqによる自己発現制御に関わるHfqドメイン、およびhfq mRNAのシスエレメントを明らかにした。また、Hfqによる自己発現制御に欠失を示す変異では細胞増殖が阻害されることを明らかにした。このことは、過剰量のHfqが細胞に毒性を示すことを示す。さらに、一部のsRNAはhfq mRNAとHfqとの結合を競合阻害し、Hfq量の増加をもたらすことを見出した。このことは、Hfq自己発現制御を利用し細胞内でsRNA機能がモニターされ、必要なHfq量が保障されていることを示唆する。これらの結果は、100種以上存在するsRNAの機能を一手に担うHfqの量の調節機構の理解をもたらすという点で、本課題のもっとも根本である細胞内におけるHfq作用ネットワークの全体像を明らかにする。この研究成果は、国際的ジャーナルである「RNA」に発表し、また関連する研究内容を国内学会において発表した。
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Research Products
(4 results)