2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research for mechanisms of control in gene expression under oxidative stress
Project/Area Number |
16K07260
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
石井 健士 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70516731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 猛 九州大学, 医学研究院, 助教 (60187846)
早川 浩 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70150422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / RNA / 8-オキソグアニン / アポトーシス / PCBP1 / 神経変性疾患 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスはエネルギー産生のために行われる呼吸の副産物として細胞内で常に生じている。細胞内に酸化ストレスが生じると活性酸素種(ROS)が生じる。このROSは非常に反応性が高く、様々な生体分子を酸化する。特に、遺伝情報の発現に関わるmRNAの酸化損傷は、異常タンパク質の合成を誘導し、細胞の恒常性喪失を引き起こす。細胞における異常タンパク質の蓄積は、老化や神経変性疾患を含む様々な疾患の原因となると考えられている。この危機を回避するために、細胞は何らかの防御機構を有していると考えられる。 我々は、細胞が持っているRNA酸化損傷に応答する機構を明らかにするために研究を行った。その結果として、酸化損傷を受けたRNAを特異的に認識して、結合するタンパク質を探索しPCBP1タンパク質を同定した(Ishii et al., PNAS (2018))。PCBP1は、グアニンの酸化体(8-オキソグアニン)2つを近接した領域に持つ重度に酸化されたRNAに結合する能力を持っていた。我々は、この酸化RNA-PCBP1複合体が細胞をアポトーシスに導く最初のシグナルになることを示す結果も得ている。 これまで酸化損傷を受けたDNAによってアポトーシスが引き起こされることはよく知られており、その機構の詳細も明らかになっている。しかし、酸化損傷を受けたRNAがアポトーシスを引き起こすことは知られておらず、我々が見出した機構は全く新規のものである。この機構が酸化ストレスによる異常タンパク質の蓄積を防ぐ役割を果たすことから、老化や神経変性疾患の抑制において重要な知見を提供するものと思われる。
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Research Products
(4 results)