2017 Fiscal Year Research-status Report
真核生物CENP-TWSX複合体のDNA認識機構解明
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16K07279
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西野 達哉 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 准教授 (50533155)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タンパク質複合体 / 細胞周期 / 染色体 / タンパク質X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の染色体は細胞分裂時に娘細胞へと正確に分配される。本機構に異常が起こると、染色体の不均等分配が発生し、細胞死や分化異常、さらには細胞のがん化とも密接に関連している。染色体分配に関与するキネトコアの構造と機能を明らかにすることで、がん細胞の増殖制御や人工染色体構築が可能になると期待される。 これまでに我々は脊椎動物の染色体分配に関与するCENP-TWSX複合体を発見し、機能と構造を明らかにしてきた。興味深いことにCENP-TWSX中のCENP-SXはDNA修復因子FANCMと複合体を形成し、DNAの二重鎖切断修復にも関与する。CENP-SX非存在下ではFANCMによる修復が正確に行われないためCENP-SXは修復過程に置いて重要な役割を果たす。CENP-SXはヒストンフォールドを有し、複合体形成により基質DNと結合するが、その詳細は不明である。 今年度はFANCM/CENP-SX複合体の結晶化を行なった。FANCM/CENP-SX複合体単独では二種類の結晶が作成でき、放射光施設にてX線回折測定を行ったところ、それぞれFANCM/CENP-SX複合体とCENP-SX複合体であることが判明した。さらにFANCM/CENP-SX複合体と複数の二重鎖DNAの共結晶化を試みた結果、幾つかのコンストラクトで結晶を作成することができた。結晶化条件をさらに検討した結果、結晶サイズがX線照射可能な大きさまで成長した。放射光施設にてX線を照射した結果、3.5オングストローム分解能の回折データを取得でき、FANCM/CENP-SX複合体に結合しているDNAの電子密度が観測できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質DNA複合体の結晶を得ており、今後の分解能向上、位相情報改善により構造決定に至ることが可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は電子密度をさらに精密化精密化できるようヨウ化ウリジンや臭化ウリジンを導入したDNAとの複合体結晶を作成するとともに、回折分解能の向上を図り、FANC-M.CENP-SX複合体の立体構造を決定する。
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Research Products
(17 results)