2017 Fiscal Year Research-status Report
シトクロムP450還元酵素からシトクロムP450への電子移動機構解明
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16K07280
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
杉島 正一 久留米大学, 医学部, 准教授 (30379292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀明 久留米大学, 医学部, 准教授 (60271996)
坂本 寛 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (70309748)
福山 恵一 大阪大学, 工学研究科, 招へい研究員 (80032283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / 分子間相互作用 / 電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
シトクロムP450(P450)はステロイドの生合成などの脂質代謝や薬物代謝において重要な役割を果たす酵素である。P450が酵素反応に必要な酸素分子を活性化するためには、鉄硫黄クラスターを補因子とするアドレノドキシン(Adx)やフラビン酵素であるシトクロムP450還元酵素(CPR)からの還元力が必要である。この電子移動経路の詳細を明らかにするためには、酸化還元複合体の立体構造が必要である。Adx-P450複合体については、バクテリアホモログにおいて既に構造解析例があるが、CPR-P450複合体に関してはいまだに構造解析例がない。そこで、本研究ではCPR-P450複合体について立体構造情報を得ることを目的とした。 昨年度はその第一段階として、open型安定化CPR(ΔTGEE)と強く相互作用するP450をラット肝マイクロソーム画分から、免液沈降法および質量分析法を使って探索した結果、二種類のP450を同定した。今年度はそれら二種類のP450について、大腸菌を用いた発現・精製系を作製し、精製標品とΔTGEEとの相互作用を表面プラズモン共鳴法及びゲルろ過クロマトグラフィーを用いて検討した。しかし期待したほど強いΔTGEEとの相互作用は見られなかった。引き続き、別のP450を探索していく必要がある。 また、天然のCPR-P450融合タンパク質であるP450-BM3に着目し、そちらから立体構造情報を得ることも試みている。大腸菌における発現・精製系を作製し、X線小角散乱測定から、分子の概形を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度、open型安定化CPR(ΔTGEE)と強く相互作用するP450として同定した二種類の候補について、大腸菌を用いた発現・精製系を構築し、高純度に精製した試料を得たが、いずれも期待したほど強いΔTGEEとの相互作用は見られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
免液沈降法および質量分析法による再スクリーニングを行い、別のopen型安定化CPR(ΔTGEE)と強く相互作用するP450を探索する。 また、天然のCPR-P450融合タンパク質であるP450-BM3について、X線小角散乱結果から得られた概形に、既知のドメイン構造をフィッティングし、電子移動機構について推察する。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れにより、使用を見込んでいた消耗品・試薬と実際に使用した消耗品・試薬が異なるため。差額は次年度の研究において、物品費として使用する。
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Research Products
(27 results)