2016 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージのグアニリンとその受容体によるエネルギー代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
16K07300
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
秋枝 さやか 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (20549076)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生理活性物質 / エネルギー代謝調節 / マクロファージ / 脂肪細胞 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の研究グループは、自然に存在する高脂肪食に耐性を示すラットの中には、生理活性ペプチドであるグアニリン(Gn)とその受容体であるGC-Cの両分子が、マクロファージに高発現している個体があることを見出した。GnおよびGC-Cは、主に消化管で発現し、水・電解質代謝調節に機能していることが知られているが、マクロファージでの発現や肥満制御分子としての役割は全く報告されておらず、高脂肪食への曝露から生体を防御する新たな機能分子として着目される。これまでに申請者は、Gn/GC-Cをマクロファージ特異的に発現させたGn/GC-Cダブルトランスジェニック(Tg)ラットの作出に成功し、同ラットが肥満や脂肪肝を呈さない肥満抵抗性の表現型を示すことを報告してきた。本研究では、Gn/GC-C Tgラットを用いて、Gn/GC-Cシステムと生体のエネルギー代謝特性との関連を検討した。Gn/GC-C Tgラットは、高脂肪食摂取10週目以降には野生型(WT)ラットの体重を下回る。体重差が認められる高脂肪食摂取10週目以降で、耐糖能試験やインスリン負荷試験を行った場合には、WTラットで耐糖能異常やインスリン抵抗性が認められるが、Gn/GC-C Tgラットでは認められなかった。しかし、高脂肪食摂取10週目以前では、WTラットとTgラットに明らかな差は認めれなかった。また、WTラットに比べGn/GC-C Tgラットは、行動量や酸素消費量が有意に高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グアニリン/GC-Cをマクロファージ特異的に発現させたトランスジェクラットのエネルギー代謝特性を解析した。また、グアニリン/GC-Cシステムの機能連関を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージにおけるGn/GC-Cカスケードと炎症制御機構と脂肪の蓄積抑制に機能するグアニリン/GC-C発現マクロファージ由来の液性因子の探索を進めている。
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