2017 Fiscal Year Research-status Report
PI3P代謝によるサブセル空間レベルでのTORC1制御機構の解明
Project/Area Number |
16K07347
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野田 健司 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00290908)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | TORC1 / Pib2 / Rheb / PI3P |
Outline of Annual Research Achievements |
TORC1はアミノ酸等の情報を感知し、下流のタンパク質合成、脂質合成、転写翻訳、オートファジー、細胞成長などの諸現象を統括的に制御する中心的機構である。我々はホスファチジルイノシトール3ホスファターゼMTMR3がmTORC1に結合して、その活性を抑制することを発見したことにより、ホスファチジルイノシトール3リン酸の細胞局所的な制御がTORC1の活性調節に重要であるとの着想を得た。実際MTMR3は多くがゴルジ体に局在するが、ゴルジ体にはmTORC1の活性化を担うRhebが局在することを示した。しかしmTORC1 はリソソームに局在する。この一件相矛盾する関係は、ゴルジ体とリソソームが物理的に接触し、コンタクトサイトを形成することを発見することにより説明された。すなわちゴルジ体に局在するRhebがリソソームに局在するmTORC1をオルガネラ間接触を介して活性化するモデルを提唱した。一方酵母細胞においてはホスファチジルイノシトール3リン酸に結合するタンパク質PIb2がTORC1に直接結合し、その活性化を担うことを見出した。Pib2はホスファチジルイノシトール3リン酸に結合することにより液胞に局在化するが、その結合領域であるFYVEドメインを、それとは全く無関係な液胞膜タンパク質アルカリ性ホスファターゼと機能的に置換することによっても、その活性化は問題なく起すことを証明した。すなわち、ホスファチジルイノシトール3リン酸の局所的な機能としては、Pib2を液胞に局在化させることであることを意味している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
哺乳類細胞および酵母細胞において共に新規のTORC1制御機構を発見することに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後今回発見した機構の詳細な分子機構を解明する。
|
Causes of Carryover |
102円分必要な経費が生じなかったため
|
-
-
[Journal Article] Gtr/Ego-independent TORC1 activation is achieved through a glutamine-sensitive interaction with Pib2 on the vacuolar membrane.2018
Author(s)
3.Ukai, H., Araki, Y., Kira, S., Oikawa, Y., May, A. I., and Noda, T
-
Journal Title
PLOS gengetics
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
-
-