2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07348
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 信一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60584521)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Rab / 極性輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Rab10が上皮細胞において細胞内膜輸送をどのように制御しているのかをその分子機構を中心に明らかにすることである。まず、 マウス上皮細胞、EpH4のRab10遺伝子をCRISPR/Cas9によってノックアウトした。その細胞を平面培養すると、コントロール細胞に比べて、単層構造の形成困難な様子が観察された。この結果から、Rab10ノックアウトEpH細胞の側底面、および頂端面方向のいずれかのタンパク質輸送経路の不全のため、上皮極性が維持できないことに起因すると考えられる。次にRab10の細胞内局在を調べたところ、Rab10はトランスゴルジネットワーク、およびリサイクリングエンドソームに局在することを確認した。このことから、Rab10はゴルジ体から運ばれたタンパク質をトランスゴルジネットワーク、およびリサイクリングエンドソームで側底面、および頂端面方向へ選別する 機能を有する考えられる。さらにRab10の結合タンパク質であるEHBP1についても同様にノックアウト細胞を作製し、解析した。その結果、Rab10ノックアウトの時と同様に単層構造の形成不全が観察された。EHBP1の局在を、特異的抗体を用いた染色にて確認したところ、EHBP1はサイクリングエンドソームに局在することが明らかになった。さらにEHBP1以外のRab10の結合分子を同定する目的で、酵母ツーハイブリッドスクリーニングを行い、既知、および未解析の分子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の予定ではRab10の結合分子を同定し、Rab10と共に培養細胞を用いて解析する予定であった。そのような意味では、新規に同定したRab10結合分子に関しては細胞を用いた解析にまでは至っていないが、Rab10およびEHBP1については当初の予定より早くノックアウト細胞の作製まで完了し、上皮極性形成の解析まで終えることができたので概ね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRab10とEHBP1を含む種々の結合分子を中心に解析する予定である。これらの分子はそのドメイン構造から、脂質に結合したり、アクチン繊維に直接結合したりすることなどが示唆される。さらに機能未知のドメインの存在も確認しており、これらのドメインを詳細に解析することによってRab10とその結合分子の機能に迫る。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Opposing roles for SNAP23 in secretion in exocrine and endocrine pancreatic cells2016
Author(s)
Kunii M, Ohara-Imaizumi M, Takahashi N, Kobayashi M, Kawakami R, Kondoh Y, Shimizu T, Simizu S, Lin B, Nunomura K, Aoyagi K, Ohno M, Ohmuraya M, Sato T, Yoshimura SI, Sato K, Harada R, Kim YJ, Osada H, Nemoto T, Kasai H, Kitamura T, Nagamatsu S, Harada A.
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Journal Title
J Cell Biol.
Volume: 215(1)
Pages: 121-138
Peer Reviewed
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[Journal Article] EHBP1L1 coordinates Rab8 and Bin1 to regulate apical-directed transport in polarized epithelial cells.2016
Author(s)
Nakajo A, Yoshimura S, Togawa H, Kunii M, Iwano T, Izumi A, Noguchi Y, Watanabe A, Goto A, Sato T, Harada A.
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Journal Title
J Cell Biol.
Volume: 212(3)
Pages: 297-306
DOI
Peer Reviewed
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