2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of novel secretory vesicle formation by lipid membrane binding I-BAR proteins
Project/Area Number |
16K07351
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 京子 (塙京子) 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40391990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂質膜 / 脂肪酸 / 細胞外小胞 / I-BAR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脂質膜の鋳型となり細胞膜を突起構造に導くことが知られているinverse Bin-Amphiphysin-Rvs (I-BAR ) タンパク質が、単に細胞膜表面に突起を作るだけでなく、その細胞膜突起が切断され細胞外小胞を作るという新規脂質膜切断活性機能を証明することを目的として研究を行ってきた。 この作業仮説を検証するため、I-BARタンパク質の一つであるIRSp53やMIMのI-BARドメイン部位の精製タンパク質と人工脂質膜を試験管内において混ぜ、人工脂質膜の形状がどのようになるかを調べた結果、人工脂質膜はI-BARドメインによりチューブ状に変形されるだけでなく脂質膜小胞も作られることを電子顕微鏡観察および、人工脂質膜共沈法により確認することができた。さらに脂質膜切断にはI-BARタンパク質と膜との結合が必須であることをI-BARタンパク質の変異体を用いた実験により明らかにした。あわせてI-BARタンパク質と脂質膜との結合には、脂質膜がマイナス電化を帯電しているリン脂質を多く含む組成であることが必要であることも明らかとした。また、HEK293 free style cellを用いてトランスフェクションによりI-BARドメイン部位を細胞内で大量発現させると、I-BARドメイン依存的に大量の細胞外小胞が形成されることを細胞レベルでも明らかにすることができた。以上の結果から、I-BARタンパク質は新たな細胞小胞形成を担うタンパク質の一つであることが強く示唆することが出来た。 これらの結果により、I-BARタンパク質により形成される刺激に応答し盛んに細胞運動を行っているラメリボディアやフィロポディアの先端では、細胞膜が千切れるように細胞外小胞が形成され細胞間の情報伝達が行われているという、新たな細胞間クロストーク仮説を提唱することができた。
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Research Products
(5 results)