2018 Fiscal Year Annual Research Report
The endocytosis-mediated mechanism for the germ plasm assembly
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16K07374
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 翼 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (00392027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / 生殖質 / 細胞極性 / エンドサイトーシス / 細胞骨格 / 卵黄タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの動物において、生殖細胞の形成・分化は、生殖質とよばれる特殊な細胞質領域によって制御される。生殖質は、様々な母性RNAやタンパク質が局在化することにより形成される。私たちは、ショウジョウバエをモデル系として生殖質の形成機構を明らかにすることを目指している。私たちは以前に、ショウジョウバエ卵母細胞でのエンドサイトーシスが微小管の配向性、およびアクチンの再編成の制御を介して、生殖質形成に必須の役割を担っていることを明らかにした。これに端を発した研究を展開させることにより、前年度までに、卵黄タンパク受容体のエンドサイトーシスが細胞骨格制御を介した極性形成・生殖質形成に極めて重要であることを見い出している。これは、卵黄タンパクの取り込みには、「細胞極性と生殖質形成の制御」という新たな役割を持つことを初めて示すものである。 平成30年度は、前年度に引き続いて、生殖質形成と極性形成における卵黄タンパク受容体の役割とエンドサイトーシス制御機構を明らかにするための解析を行った。その結果、リガンド非依存的な卵黄タンパク受容体のエンドサイトーシス制御の重要性を明らかにした。また、卵黄タンパク受容体のエンドサイトーシスを促進する細胞内ドメインを特定し、そのドメインに結合する因子の同定を進めている。さらに、神経細胞におけるエンドサイトーシスを介した極性制御機構への展開を進めており、卵黄タンパク受容体と同じファミリーに属する複数の受容体の極性制御への関与を示唆する結果が得られた。現在、それらの機能とエンドサイトーシスの制御機構を明らかにするための解析を進めている。
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