2017 Fiscal Year Research-status Report
シロイヌナズナ胚における子葉形成機構の解析~調節遺伝子と細胞と器官形態との関係
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16K07401
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
相田 光宏 熊本大学, 国際先端科学技術研究機構, 教授 (90311787)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発生 / 転写因子 / 形態形成 / 葉 / 境界部 / 対称性 / オーキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は各種マーカー遺伝子の整備と変異体・形質転換体への導入を進めた。これまでのマイクロアレイによる解析から、CUC1遺伝子によって植物ホルモンであるオーキシンの生合成に関わる遺伝子が正に制御されることが示唆された。そこでこれらの生合成遺伝子のうち、とくにCUC遺伝子の発現領域である子葉原基境界部に発現することが報告されている3つの遺伝子についてレポーターを入手し、cuc2 cuc3突然変異体への掛け合わせによる導入を行い、ホモ接合体を得た。さらにこれらのレポーターについては、CUC遺伝子の下流で働く別の制御因子であるKNOX遺伝子との相互関係を調べるため、KNOXの変異体への導入も合わせて進めている。 CUC遺伝子とオーキシンの関係を更に詳しく調べるため、オーキシンの極性輸送に関わる遺伝子であるPIN1についてもcuc2 cuc3への導入を行い、ホモ接合体を得た。現在、その胚における発現パターンを解析中である。また、PIN1の局在を調節するMABについての蛍光リポーターを作製中である。 これらのオーキシン関連因子について、さらに詳しい解析を進めるため、生合成遺伝子と極性輸送因子のレポーターについて、機能誘導型CUC1過剰発現体(CUC1-GR)への導入も合わせて進めている。 さらに表層微小管との関係を明らかにするため、可視化マーカーであるGFP-TUB6を導入したcuc2 cuc3二重変異体の作製を行った。合わせて微小管に関連した変異体とcuc変異体との掛け合わせも進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胚の立体形状の定量的解析に遅れが生じている。また、CUCの過剰発現体についても形態の解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
透明化胚のデータからセグメンテーションによる定量化解析について、プロトコールを確立する。
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Causes of Carryover |
年度の途中に所属機関の異動が二回あり、都度研究環境の立ち上げに時間がかかり、研究計画に遅れが生じた。次年度においては、画像取得および解析に関わる消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)