2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on molecular basis for vegetative propagation of plant
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16K07408
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
木村 成介 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (40339122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生 / 栄養繁殖 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、葉の断面から再生により栄養繁殖するアブラナ科植物のR. aquaticaを用いて、栄養繁殖の分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。これまでの研究で、再生過程のトランスクリプトーム解析をおこない、根の再生にはオーキシン応答、シュートの再生にはサイトカイニン応答が重要であることを明らかにしている。今年度は加えて、ジベレリンが根の再生に重要であることを明らかにすることができた。現在、再生に関わると考えられる遺伝子について、機能解析を進める準備をしている。 R. aquaticaがなぜ葉の断面から再生できるのかを明らかにするため、シロイヌナズナとの比較解析をおこなった。R. aquaticaとシロイヌナズナの葉を切断して湿った状態においておくと、シロイヌナズナの葉はすぐに褐変していくのに対して、R. aquaticaの葉は長期間褐変が抑えられ、緑色に保たれていた。また、葉片の光合成活性を測定すると、シロイヌナズナも葉片の活性はすぐに低下するのに対して、R. aquaticaの場合は活性の低下が抑えられていた。葉の横断雪片を観察すると、R. aquaticaの葉は、海綿状組織がほとんど見られず、維管束周りの柔組織も含めて、葉の全体的に細胞が密に詰まっていた。以上の結果から、R. aquaticaが葉の断面から再生できるのは、葉の構造により切断後も組織が長持ちし、また、細胞が密であるので根の再生に必要なオーキシンが十分量供給されるからではないからかと考えられた。
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Research Products
(17 results)