2018 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of ACTIN DEPOLYMERIZING FACTOR in regulations of nuclear morphology and gene expression during plant response against pathogen attack.
Project/Area Number |
16K07415
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
稲田 のりこ 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30432595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクチン脱重合因子 / 細胞核構造 / ヘテロクロマチン / マイクロアレイ解析 / 病害応答 / アブラナ科炭疽病 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまでの先行結果をもとに、シロイヌナズナのアクチン脱重合因子(ADF)が、細胞核内のアクチン繊維の構造・動態制御を介して、核内ゲノム三次元構造および病害応答に関わる遺伝子発現を制御している、との仮説を立てた。本研究課題はこの仮説の検証を目的としており、新たな遺伝子発現制御の機構を明らかにする基盤研究、また、植物病害の新しい防除法確立に向けた基盤研究としての意義を持つ。 上述の目的達成のため、平成28年度から始まった本研究では、(1)adf変異体における細胞核の形態解析、(2)ADFの欠損が遺伝子発現に与える影響を明らかにするためのマイクロアレイ解析、(3)細胞核内アクチン繊維の可視化解析、(4)アブラナ科炭疽病菌に対するadf変異体の表現型解析、を行った。最終年度となった平成30年度は、特に(3)と(4)について解析を進めた。 (3)の細胞核内アクチン繊維の可視化解析については、細胞核局在シグナルと蛍光タンパク質を付与したアクチン繊維結合タンパク質を発現するシロイヌナズナ株を作成し、昨年度、ホモラインを得た。一方で、得られた植物体は、強い蛍光を示したものの、細胞核内には明確な繊維状構造は見られなかった。細胞核内アクチン繊維の可視化解析が報告されている動物細胞の例でも、ストレス下の細胞でのみ核内に繊維状構造が見られることが報告されており、現在、得られたホモラインを用いて細胞核アクチン繊維が出現する条件を探索している。 (4)については、これまでの研究でadf変異体がうどんこ病に対して抵抗性の亢進を示すことを報告していたが、平成29年度に、うどんこ病に加えアブラナ科炭疽病菌にも抵抗性の亢進を示すことを明らかにした。平成30年度は、アブラナ科炭疽病抵抗性における植物ホルモンの役割を明らかにするため、植物ホルモン変異体を用いた病原体感染実験の準備を進めた。
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Research Products
(4 results)