2017 Fiscal Year Research-status Report
鳥類の視床下部で発見した分泌性小タンパク質による脂肪蓄積効果に関する研究
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16K07440
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩越 栄子 広島大学, 総合科学研究科, 研究員 (50311296)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新規分泌性タンパク質 / 脂肪蓄積 / 季節変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に実施したニワトリ・ヒナのにおける新規分泌性小タンパク質NPGL及びNPGLの研究結果をまとめ、3報の学術論文として発表を行った(Shikano et al., Gen Comp Endocrinol., 2018, Shikano et al., Sci Rep., 2018, Shikano et al., Gen Comp Endocrinol., 2018)。これらの論文の中で、①NPGMはニワトリの脳内ではなく、皮下に投与した場合においても体重を増加させること、②NPGLとNPGMはニワトリ・ヒナの脳内において同じ領域に発現しているが、発達段階によってその発現が異なること ③NPGLをニワトリの脳室内に慢性投与すると脂肪が蓄積する等を報告した。 また、平成29年8月から平成30年9月までアメリカのカリフォルニア大学バークレー校のBentley博士の研究室にて研究を行った。当初、野鳥であるススメ目のキンカチョウの成鳥を用いて実験を行う予定であったが、キンカチョウは季節繁殖を行わないということから、ハムスターに対象を移した。ハムスターはSyrian hamsterとSiberian hamsterの2種類を用いた。まず、これら2種類のハムスターにNPGL及びNPGMが存在しているのかデータベースが公表されているSyrian hamsterにおいて解析を行った。その結果、NPGLは存在しているが、NPGMは見つけることができなかった。次に、縮重プライマーを用いてSiberian hamsterのNPGLを探索し、遺伝子配列を決定した。現在、長日から短日条件にした際に体重変動が見られないSyrian hamsterとその体重が大きく減少するSiberian hamsterにおいて、NPGLの遺伝子発現がどのように変化するのか実験を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに研究結果を査読付き国際誌に3報報告してる。更に、論文にまとめることのできるデータを多く得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ニワトリ・ヒナにおける脳室内慢性投与で脂肪蓄積が亢進するメカニズムの解明に関する結果について論文にまとめる予定である。また、短日・長日条件によりその体重が大きく変動するハムスターにおいて新規分泌性小タンパク質NPGLがどのように変化するのかを調べることにより、内因性NPGLの存在意義を見出したいと考えている。
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Causes of Carryover |
理由:本年度は、共同研究者であるカリフォルニア大学バークレー校のBentlry博士の研究室にて実験を行ったため、予定より研究費の支出を抑えることができた。
使用計画:次年度は、これまで扱ったことのない実験動物を用いて研究を行う予定であるため、実験の立ち上げ費用に使用する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Localization and function of neurosecretory protein GM, a novel small secretory protein, in the chicken hypothalamus.2018
Author(s)
Shikano K, Bessho Y, Kato M, Iwakoshi-Ukena E, Taniuchi S, Furumitsu M, Tachibana T, Bentley GE, Kriegsfeld LJ, Ukena K.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 8
Pages: 704
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Neurosecretory Protein GL, a Hypothalamic Small Secretory Protein, Participates in Energy Homeostasis in Male Mice.2017
Author(s)
Matsuura D, Shikano K, Saito T, Iwakoshi-Ukena E, Furumitsu M, Ochi Y, Sato M, Bentley GE, Kriegsfeld LJ, Ukena K.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 158(5)
Pages: 1120-1129
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Neurosecretory protein GL stimulates food intake, de novo lipogenesis, and onset of obesity.2017
Author(s)
Iwakoshi-Ukena E, Shikano K, Kondo K, Taniuchi S, Furumitsu M, Ochi Y, Sasaki T, Okamoto S, Bentley GE, Kriegsfeld LJ, Minokoshi Y, Ukena K.
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Journal Title
Elife.
Volume: 6
Pages: e28527
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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