2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K07453
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
早川 浩 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70150422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (00037342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 突然変異 / 異常タンパク / 酸化ヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、mutT欠損の影響を増幅する新たなトランスポーター変異株を分離した (J.B.C. 288 32952, 2013)。ことからこのトランスポーターが細胞内ヌクレオチドプール中の酸化ヌクレオチドを積極的に排出するのではないかと考え、平成28年度の研究計画として、細胞のヌクレオチドプール中の酸化ヌクレオチドの定量を、アイソトープとHPLCによる分離法を用いて野生株と変異株(mutT 単独株、mutT-msbA(ts)二重変異株、mutT-norM二重変異株、mutT変異-msbA過剰発現株、mutT変異-norM過剰発現株、mutT変異-msbA過剰発現-norM過剰発現株)の計7株で試みた。しかし酸化ヌクレオチドの定量はその量が極めて小さいことより技術的に困難であることが判った。
そこで、29年度の研究計画を前倒し、大腸菌の変異株ライブラリーにmutT変異をすべて導入し、mutT変異による自然突然変異を増幅、あるいは抑制する変異がないかをリファンピシリン耐性株の出現頻度をメルクマールに網羅的に検索する計画に移行した。これまでのところ全3,909株のうち1,430株をスクリーニングし(2017年4月段階)、自然突然変異を抑制あるいは増幅していると思われる候補株を数株同定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」項目で記載した通り、29年度の研究計画を前倒しmutT変異による自然突然変異を増幅、あるいは抑制するものがないかを網羅的に検索し、これまでのところ全3,909株のうち1,430株をスクリーニングし(2017年4月段階)、自然突然変異を抑制あるいは増幅していると思われる候補株を数株同定できた。現状のスピードでも今年度末には全変異株ライブラリーのスクリーニングが完了可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヌクレオチドプール中の酸化ヌクレオチドの定量を、アイソトープを用いて野生株と変異株で試みたが、その量が極めて小さいことより技術的に困難であることが判った。 そこで29年度の研究計画を前倒し、網羅的な変異株の構築そしてそれら二重変異株の自然突然変異率の測定を進めてきた。現在、ほぼ半分をスクリーニングできたが、網羅的検索という労働依存型であるので、今後はさらに1名を加えスクリーニングを行う予定で、秋頃までに全ライブラリーのスクリーニングを完了する。
その後は同定された個々の変異がどのようにmutT変異による自然突然変異の上昇をさらに増幅、あるいは抑制するのかを分子レベルで解析する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度予定の研究を前倒しで遂行中であり、平成28年度中に支出を予定していた分が節約できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「今後の推進方策」で記載した通り、平成29年度には謝金を予定しているので平成28年度中の節約分をそちらに回したい。
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Research Products
(4 results)