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2016 Fiscal Year Research-status Report

アジア大陸東縁部列島弧における植物の分布と分化の特異性を探る

Research Project

Project/Area Number 16K07488
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

秋山 弘之  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (70211696)

Project Period (FY) 2016-10-21 – 2019-03-31
Keywords蘚苔類 / 隠蔽種 / ヤクシマコモチイトゴケ / オオタマコモチイトゴケ
Outline of Annual Research Achievements

研究目的: 日本列島弧の南西部を占める紀伊半島,四国南岸,九州南部,南西諸島,さらに台湾にかけて広域分布する蘚苔類を対象として,形態形質ならびに分子マーカーを用いて分布域内における各集団の形態的・遺伝的変異について詳細に比較する.これにより,アジア大陸の東縁という地理的・地史的に特異な地域において,風などによる長距離散布が予想される蘚苔類植物がどのような種分化をおこなっているのかを実証的に調査する.ひいては南西日本植物相の成立の過程とそれに大きな影響を及ぼす隔離・分散の歴史について精度の高い仮説を構築することを目的とする.
手法: 広域分布する蘚苔類の分布域内における地域集団間分化の有様を,形態・分子マーカ-を使って推定すること,具体的には対象種群を西南日本から東・東南アジアにかけて分布する種群から複数の群を選択して解析対象とする.フロラという全体としての漠然としたまとまりではなく,個別の種群において解析を進めることで,より実証的なデータを着実に積み上げることに力点を置いている.
対応する種群を,本州・四国・九州から琉球,そして台湾にかけて重点的に調査し,中国大陸からのサンプルを含めて同時に調査することで,アジア大陸の東端という特異な地理的位置と歴史を有する地域において,種分化がどのように生じているのかを実証的に示すことを目的とする.
実施実績: ヤクシマコモチイトゴケ:サンプル採集・解析を行うことで,国内からインドシナ半島にかけて広域分布する本種には,わずかの遺伝的変異しか認められないことを明らかにした. オオタマコモチイトゴケ:これまで単一種と考えられてきた本種には,国内だけでも少なくとも3種が含まれていることを明らかにした.それぞれの種がこれまでに記載された種に該当するかについての検討は次年度以降に実施する.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

最大の問題は,本研究課題が昨年10月に追加内定により採択された点にある.そのため,すでに当該年度の研究計画は科研費を用いたもの以外で進行中で有り,本来の計画の実施を十全に実施するには難しい状況であった.また対象とする生物を調査に適した時期もかなり過ぎていたため,サンプル採集・現地観察も十分に行うことができなかった.次年度には,この遅れを取り戻すために,綿密な研究計画を立ててのぞむ予定である.

Strategy for Future Research Activity

標本調査ならびに申請者自身によるこれまでの予備的フィールド調査によって対象種群の生育を確認できた,紀伊半島・四国南部・大隅半島・屋久島・奄美群島・沖縄本島北部・台湾(台中など中央部)において現地調査を行う.形態については国内各地の標本庫収蔵標本を借用して解析を行うことともに,各地の研究者に依頼してDNA解析用のサンプルを取得する.
また,有性生殖をほとんど行わず無性的手段のみで繁殖し,隔離的に広分布する着生種である蘚類ウニゴケ属Symphyodon(日本産3種)を解析の対象に加えて,野外調査・室内解析を実施する.

Causes of Carryover

もっとも大きな原因は,交付内定が10月にずれ込んだことである.これにより,昨年度は十分に研究計画(野外採集,DNA抽出解析)を実施することができなかった.

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度については,昨年度の不全を解消すべく,調査計画を綿密に計画・実施することで,オオタマコモチイトゴケならびにヤクシマコモチイトゴケについては当初の研究計画の水準に達するようにする.また調査対象としてシダレウニゴケ,ならびにジャゴケを加えて,より充実した結果を得られるようにする.

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 日本産オオタマコモチイトゴケ(蘚類)は形態的に類似した4種から成り立つ2017

    • Author(s)
      秋山弘之
    • Organizer
      日本植物分類学会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2017-03-11
  • [Presentation] 東アジア産シダレウニゴケSymphyodon perrottetii (ウニゴケ科,蘚類)が内包する種多様性2016

    • Author(s)
      秋山弘之
    • Organizer
      日本蘚苔類学会
    • Place of Presentation
      屋久島文化会館
    • Year and Date
      2016-11-10

URL: 

Published: 2018-01-16  

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