2018 Fiscal Year Research-status Report
深海熱水域の未知メタン酸化細菌群:集積培養系から探る生理生態と系統
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16K07498
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
平山 仙子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 深海・地殻内生物圏研究分野, 主任研究員 (90359167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 善弘 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 深海・地殻内生物圏研究分野, 主任技術研究員 (10399561)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタン酸化 / 深海熱水 / 培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに単離した沖縄トラフ深海熱水活動域由来の新奇メタン酸化細菌IN45株について、すでにドラフトゲノム配列情報を取得していたが、既知近縁株Methylomarinovum caldicuralii IT-9株のドラフトゲノム配列と比較したところ、双方とも重要な遺伝子情報が欠失しているなど、配列情報の質があまり良くないことが判明した。そこでより質の高い配列データを得るため、IN45株およびIT-9株の双方について改めて別の次世代シーケンサーで解析し直すこととした。しかし一回目の解析はうまく行かなかった。原因は不明だがDNAの質と量が問題だった可能性があり、現在DNA抽出からやり直している。 また本研究では、沖縄トラフ熱水活動域に生息するシンカイヒバリガイ類のメタン酸化共生菌を内包するMethyloprofundus属について、共生菌とfree-living菌のゲノム比較を行っている。また環境試料の解析からfree-livingのMethyloprofundus属細菌の多様性等も解析し、本年度はデータ取りまとめを行いながら論文執筆を進めてきた。しかしデータの解釈や取りまとめ方について研究分担者と意見・方針をすり合わせる作業に予想外に時間がかかるなどしたため論文投稿には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者と研究分担者が共に多忙であったため、共同で行う作業の時間を十分確保できず、計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在データ取りまとめの最終段階であることから、これをまとめ上げ、執筆中の論文を完成させる。また単離株についてはゲノムの再解析を終え、記載のための最終的な取りまとめを行う。
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Causes of Carryover |
本年度中に論文投稿等にかかる費用が発生すると見込んでいたが、計画の遅延により見込み通りに予算を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度はゲノム解析受託サービスを利用し微生物単離株のゲノム解析を行う予定である。また執筆中の論文の投稿も予定しているため、それらにかかる経費として使用する計画である。
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