2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07517
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮崎 祐子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20443583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丑丸 敦史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70399327)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 性決定 / 窒素 / リン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はケツユクサを用いて、花序内で最初に咲く花(B1:両性花)の結実による子房の発達に資源(窒素およびリン)が分配され、花序内の資源不足が二番目に咲く花(B2)を雄花へ誘導するという仮説の検証を行った。 2018年5月に兵庫県神戸市より採取し、岡山大学農学部圃場で栽培したケツユクサ10個体を使用して2018年7月後半から9月後半までの開花期間中に花序の採取を行った。花序内の器官は、B1およびB2の共通した基部である花柄、花序全体を基部から包む総苞、B1両性花の子房の3つに分けて評価を行った。B1両性花は受精のタイミングを統一するため、開花直後に強制他家受粉を行った(これを0時間後とする)。花柄および総苞はB1両性花の開花からB2が開花するまでの期間(72時間)において、0, 6, 12, 24, 48, 72時間後に採取した。B1子房は0, 1, 2, 3, 5, 7, 14, 21日後に採取した。採取後、各器官の窒素濃度およびリン濃度を測定した。これまでの研究により、B2の性はB1両性花の開花から24時間以内に決定することが明らかになっている。そのため、特にB1両性花の開花から24時間内の花序内の各器官における窒素濃度およびリン濃度の増減に着目して解析を行った。B1子房において時間経過に伴う窒素含有量およびリン含有量の増加が見られ、B1子房へ窒素およびリンが分配されていることが確認できた。一方で、花柄と総苞ではB1両性花の開花から24時間までに窒素濃度およびリン濃度のどちらも減少せず、B1開花時より増加する傾向が見られた。このことから、B1両性花の結実には花序外あるいは発達途中のB2つぼみから窒素およびリンが供給されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資源制限の有無について明らかになってきたが、さらに測定点数を増やすことが望ましいと判断されるため、進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
栽培個体数を増やして花数を十分に確保する。また、前年に行った網羅的遺伝子発現解析の結果とも合わせて考察を行い、成果をまとめて順次論文として公表する。
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Causes of Carryover |
候補遺伝子の発現解析の費用が未支出であるため、繰越し金が生じた。 今年度については候補遺伝子の発現解析および個体内資源量測定に対して主に使用する。
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Research Products
(2 results)