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2016 Fiscal Year Research-status Report

マカク属の社会の種間差:アッサムモンキーとアカゲザルの社会関係はなぜ異なるのか

Research Project

Project/Area Number 16K07539
Research InstitutionChukyo University

Principal Investigator

小川 秀司  中京大学, 国際教養学部, 教授 (80293976)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsアッサムモンキー / アカゲザル / 社会関係 / マカク属 / 種間差 / 寛容性 / 霊長類 / 交尾行動
Outline of Annual Research Achievements

初年度である2016年度は,2016年12月18日(出国)から2017年1月7日(帰国)まで現地調査に出かけ,ネパールのカトマンドゥーにあるSwyambhu寺で餌付けされているアカゲザル(Macaca nulatta)の観察を行った.
また,Tribhuvan大学のMukesh Chalise氏らの協力を得て,アッサムモンキー(Macaca assamensis)とアカゲザルの観察を2017年4月から2018年3月までの1年間継続的に行う準備を行った.
カトマンドゥー近郊にあるShivapuri-Nagarjun国立公園のNagarjun地域には軍隊に餌付けされて観察が容易なアッサムモンキーが1群いる.また同地域には野生群のアッサムモンキーも生息している.アッサムモンキーについては,それらを調査群とする事にした.研究の遂行のためには更に,これらのアッサムモンキーと比較するアカゲザルの調査群が必要である.ところが,2016年12月29日にNagarjun地域の南にあたるNarayanthanとNayagaunを視察したものの,「付近にサルがいる」との情報は得られなかった.また12月30日にはNagarjun地域の北にあたるTonDaとOshoを視察してアカゲザルを見つけたが,畑荒らしをしており完全な野生群とは言えなかった.12月31日にはNagarjun地域の北部とNagarjun地域の北にあたるDadagaunも視察したが,アッサムモンキーしかいなかった.そこで,2017年3月から4月にかけて研究代表者小川の所属大学の個人研究費で再度ネパールを訪問し,引き続き調査群を探した.その結果,アカゲザルについては,Nagarjun地域に南接するBalaju公園にいる餌付け群とShivapuri地域のNagiに行動域を持つ準野生群を調査群とすることにした.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2016年12月から2017年1月の現地調査の際には,ネパールの国立公園内で調査を行う許可の取得が間に合わなかった.そのため,カトマンドゥー近郊のShivapuri-Nagarjun国立公園の周辺で調査を行うと共に,Swyambhu寺で餌付けされているアカゲザル(M. nulatta)の観察を行うしかなかった.幸い2017年3月から4月の現地調査の際には,調査許可は取得できたので,今後の調査遂行には問題はなくなった.またBalaju公園でアカゲザルの観察を1年間行う許可も取得した.
当初の計画ではアッサムモンキーとアカゲザルの野生群と餌付け群計4群を調査対象とする計画であった.ところが,カトマンドゥー近郊のShivapuri-Nagarjun国立公園内及びその周辺では,完全な野生群のアカゲザルは見つからなかった.しかし,Shivapuri地域のNagiに行動域を持つアカゲザルの群れは,恒常的に畑や民家にいるわけではなく,国立公園内を誘導して野生の植物を頻繁に採食していた.そこで,準野生群と見なしてこれを調査群とすることにした.

Strategy for Future Research Activity

今後アッサムモンキーとアカゲザルの観察を,2017年4月から2018年3月までの1年間,継続的に行う予定である.Sabina Koirala氏に(1)Nagarjun地域の軍隊施設のある場所で以前から観察していたアッサムモンキーの餌付け群と,(2)Nagarjun地域の南に隣接するBalaju公園にいるアカゲザルの餌付け群の観察を依頼し,Pavan Paudel氏に(3)Nagarjun地域のSimpaniを行動域とする野生群のアッサムモンキーの観察を依頼し,Sunil Khatiwada氏に(4)Shivapuri地域の準野生群のアカゲザルの観察を依頼した.
野生群及び準野生群は,スキャニング法によって15分毎にサル達の活動,採食品目,地面からの高さなどを記録することとした.また群れの位置をGPSで記録することとした.餌付け群については,個体追跡法によってオトナメスとオトナオスを出産季と交尾季にそれぞれ各個体10時間観察し,追跡個体の社会行動などを記録することとした.

Causes of Carryover

初年度である2016年度は,予備調査を行った上で調査群を決めShivapuri-Nagarjun国立公園内で継続的なデータ収集を開始する計画であり,GPSやセンサーカメラ等を購入して2016年12月に現地に向かった.ところが,ネパールの国立公園内で調査を行う許可の取得が間に合わず,また完全な野生群のアカゲザルを見つけることが出来なかったため,本調査は開始できなかった.そのため,海外渡航費及び日当宿泊費は当初の予定より少額しか使用せず,またネパール在住の研究者へのサルの観察に対する謝金も支払い始めなかった.

Expenditure Plan for Carryover Budget

2017年度は,研究代表者小川秀司がネパールに渡航して現地調査を行うのに加え,ネパール在住の3人の研究者に継続的なサルの観察を依頼する予定である.そのため,小川の海外渡航費及び日当宿泊費に加え,上記の各研究者に対して32,4000 円(時給300円×6時間×15日×12ヵ月)の謝金を支払う予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Tribhuvan大学(ネパール)

    • Country Name
      NEPAL
    • Counterpart Institution
      Tribhuvan大学
  • [Presentation] マカク属のサルの社会:社会生態モデルは彼らの種間種内変異を説明できるか2016

    • Author(s)
      小川秀司
    • Organizer
      第237回中部人類学談話会
    • Place of Presentation
      名古屋市 南山大学
    • Year and Date
      2016-11-12
    • Invited
  • [Remarks] 小川秀司のウェブサイト(研究)

    • URL

      http://hideshiogawahomepage.weebly.com/

URL: 

Published: 2018-01-16  

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