2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K07553
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 講師 (80378819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 教授 (90152438)
森 直樹 京都大学, 農学研究科, 教授 (30293913)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イネ / 発現タンパク質 / βアミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物が産出する二次代謝物の中には、病原菌や害虫に対する防御機能をもつものが多い。これらを活用すれば、植物自らがもつ自己防御機構を高めることができ、病虫害の被害を抑えることができる。我々は、PAL(フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)様配列の一つがβチロシンの合成酵素であることを、植物で初めて明らかにし、βチロシンに他感作用があることを明らかにした。PAL様配列は、PALの他にTAL(チロシンアンモニアリアーゼ)、PAM(フェニルアラニンアンモニアムターゼ)およびTAM(チロシンアンモニアムターゼ)として機能していると考えられるが、イネに9個存在するPAL様配列が、それぞれどのような機能を有しているかは未解明である。本研究では、PAL様配列の機能を解明するとともに、βチロシンと類似した生合成反応で生じるβフェニルアラニンの合成酵素遺伝子を明らかにすることを目的とする。まず、日本晴からPAL様配列をRT-PCRで増幅して、大腸菌発現ベクターに導入したところ、全てのPAL様配列について発現タンパク質を得ることができた。試験管内での合成反応を行ったところ、その一つについて既報通りβチロシンが産出されTAMであることが再確認できた。しかしながら他の8個のタンパク質については合成産物が確認できなかった。今後、反応条件を適宜変えながら再度合成反応を行い、合成物を分析する。また、強発現するイネ形質転換体を作成するとともに、タバコでの一過性発現系を構築して、生体内での合成を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸菌発現系を用いたPAL様配列遺伝子の発現を行ったが、LOC_Os12g33610のβチロシン合成のみが確認できた。PAL活性について現在解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌発現系だけでなく、タバコ葉を用いた一過性発現系の構築、ならびに過剰発現イネ形質転換体の作成を試みている。In vitroおよびIn vivoにおけるタンパク質の発現と代謝物の合成を行い、PAL様配列の解析を進める。
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