2018 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic diversity in the frequency of non-dormant individuals within and among wild diploid and tetraploid wheat populations, and the dormancy elimination during their domestication process
Project/Area Number |
16K07559
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
大田 正次 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (80176891)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 野生コムギ / 種子休眠性 / 形態分類 / 栽培化 / 一粒系コムギ / 二粒系コムギ / 自然集団の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①栽培化起源地の野生コムギ集団における種子休眠性個体頻度を明らかにし、栽培化に伴う「種子休眠性の消失」の過程を推察すること、②集団内および集団間の遺伝的変異の解析に供するために、野生コムギ集団から抽出した模擬自然集団を育成すること、である。最終年度の2018年度には、5月、9月、10月にチュクロワ大学に滞在し、以下の実験を行った。 1. 野生二倍性コムギ(野生一粒系コムギとウラルツコムギ)集団における非休眠性個体頻度の多様性: 11集団554個体を2017年11月~2018年6月にチュクロワ大学で栽培、自殖した穂を収穫した。このうち8集団(Karacadag地域3集団、Karadag地域3集団、Gaziantep地域2集団)209個体の2粒着いた小穂の第1小花と第2小花の穎果それぞれ25粒の重さを計測したのち、室温で発芽させ個体ごとの発芽指数を求めた。その結果、野生二倍性コムギの集団には、小穂内穎果サイズ二型性と種子休眠性の程度が異なる個体がさまざまな頻度で含まれること、Karadag地域には第1小花にも大きな穎果を着け休眠性の弱い個体を多く含む集団が見られること、が明らかとなった。また、土壌と水分が豊富な生育地の集団に非休眠性個体が多く含まれることが示唆された。 2. 野生二粒系コムギと野生チモフェービ系コムギの地理的分布:野生四倍性コムギに含まれる両種は穂の形態から区別できない。チュクロワ大学の圃場で栽培した11集団408個体の葉面の毛の形質を2018年5月に調査した。その結果、Karacadagの3集団とKaradagの4集団は二粒系コムギのみの集団、Karadagの2集団とGaziantepの2集団は両種の混生集団だった。 3. 上記の実験に用いた野生二倍性コムギ11集団554個体、野生四倍性コムギ11集団408個体の自殖種子は模擬自然集団として保存した。
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