2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K07565
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
田口 文緒 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター, 上級研究員 (10355753)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ダイズ / 耐病性 / QTL / マーカー / ダイズべと病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズべと病は冷涼多雨で多く発生し、全国で完熟種子の小粒かを引き起こすほか、葉のみならず若い莢内側の内果皮を褐変させて枝豆の商品価値を低下させる。米国で2つの優性抵抗性遺伝子座が報告されているが、育種に利用されている抵抗性遺伝子座は無い。今年度は、昨年までに特定された、秋田県と茨城県において複数年次に渡って共通に検出された育種的に汎用性の高いダイズべと病抵抗性QTLの領域絞り込みを行い、育種で実用性のより高いDNAマーカー作成を試みた。 昨年までにRIL(納豆小粒/タチナガハ)で検出された第7染色体及び第18染色体に検出された2つの効果の大きなQTLについて、RILから選抜した残存へテロ系統8系統から作出したQTL領域で組み換わっている組換え固定系統対11対を秋田県大仙市、茨城県水戸市、茨城県つくば市で栽培し、自然発病で病斑調査を行って抵抗性QTLの座乗領域絞り込みを試みた。その結果、3地点で共通に、第7染色体上の3.0Mbの領域、第18染色体の8.1Mbの領域にべと病抵抗性QTLが座乗していることが明らかになった。種子量が少ないため1地点のみの栽培となった組換え固定系統対の結果からは、座乗領域は更に絞り込まれ、それぞれ1.3Mb、1.5Mbとなった。これらの領域に座乗するマーカーを用いて、べと病抵抗性個体の選抜が可能であると考えられた。 このほか、やはり昨年までにRIL(里のほほえみ/ふくいぶき)、RIL(きぬさやか/大潟村茶豆)、RIL(YR-82/Harosoy)の3集団で共通に検出されている第3染色体上の効果の大きな抵抗性QTLについて、RIL(きぬさやか/大潟村茶豆)の残存へテロ系統を選抜、組換え固定系統対を作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組換え固定系統対を作出して秋田県と茨城県あわせて3地点での圃場試験を行い、3地点のいずれでも効果の大きなべと病抵抗性QTLの存在を確認し、領域を絞り込むことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き第7染色体と第18戦食滞のダイズべと病抵抗性QTLの座乗領域を絞り込み、育種で活用できる選抜マーカーを作成する。このほか、RIL(里のほほえみ/ふくいぶき)、RIL(きぬさやか/大潟村茶豆)、RIL(YR-82/Harosoy)の3集団で共通に検出されている第3染色体上の抵抗性QTLの領域を絞り込む。
|
Causes of Carryover |
効率的に執行したが、プラスチック製品の納期が年度末に間に合わず、次年度使用額が生じた。次年度の予算と合わせて有効に使用する。
|