2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of regulation by ethylene on root nodule formation of peanut grown under the upland field converted from paddy
Project/Area Number |
16K07579
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大門 弘幸 龍谷大学, 農学部, 教授 (50236783)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 根粒形性 / 根系発育 / ラッカセイ / エチレン / 地力窒素 / 水田転換畑 / 還元土壌 / 作物生理生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年計画で立案した.最終年度の研究遂行概要は以下の通りである.研究の目的は,コメの生産調整が終了した平成30年度以降,水田転換畑に多様な畑作物を導入することがより重要になることを鑑み,水田転換畑での栽培が試みられていないラッカセイについて.その根系発育と根粒形成の様態について明らかにすることを試みた.すなわち,ラッカセイを西南暖地の沖積土の転換畑に導入する可能性を探るために,過剰水分に対する根の発育と根粒形成の応答反応を明らかにすることを目的として研究を遂行した.最終年度には,灰色低地土の水田転換畑(畑転換4年目)に,おおまさりと千葉半立を栽培し,生育後期における単位根長あたりの根粒数の変化と根粒形成の異形性を調査するとともに,収穫残渣となる茎葉部の転換畑への窒素付加の量的評価を行った. 大津市(灰色低地土圃場)において5月17日に播種し,1,2年目とほぼ同様の方法で圃場試験を行った.9月中旬の莢肥大期には,おおまさりが千葉半立に比べて根粒数が多く,単位根長当たりの根粒密度が高かった.また,黒ボク土と灰色低地土における根粒形成の異同についてポット試験で検討し,前者において主根の単位根長あたりの根粒数が高い値を示すことが明らかになった.さらに,本年度の試験では,両品種を生育適期に収穫した際の収穫残渣の窒素供給能力について評価するため,収穫直後に茎葉部のすき込みを行い,コムギ(ミナミノカオリ)を播種した.現在栽培中であるが,生育調査の結果からは,両品種ともにすき込み区における窒素吸収量の有意な増大が推察されている.収穫調査は6月初旬に行う予定である.なお,過剰水分条件下で生成されるエチレンによって誘導されるインドール酢酸の動態ならびにエチレン受容体遺伝子の導入については,本研究期間内では明らかにすることができず,今後の検討課題となった.
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