2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K07592
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 克己 静岡大学, 農学部, 教授 (70370575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クチクラ層 / トマト / 紫外線 / 水疱症 / 裂果 |
Outline of Annual Research Achievements |
トマトにおいて紫外線(UV)が表皮細胞に及ぼす影響を調査した結果、UVを含まない蛍光灯を装備したインキュベーター内で栽培した場合、葉の特に裏面にクチクラ層が消失し、葉が隆起した水疱症が表れた。クチクラ層の消失について透過型電子顕微鏡で観察し、その部位はトルイジンブルー染色することで特定できることを明らかにした。染色により簡易に判別可能になったことで、水疱症は、主に展開葉で多く発生し、出現したての葉や、完全展開葉で発生が少ないことが明らかになった。このことから、展開中で面積が増加する葉の表皮細胞において、クチクラ層の生産に異常を生じ、発生していると思われた。またUVランプを照射することで水疱症の発生が抑制することを確認した。トマトの果実表皮から酵素液を利用しクチクラ層のみを単離し、分光光度計で波長別吸光度を調査した結果、ステージ、品種、栽培環境により差異が見られた。UV領域はカットされるが、強光下で生育し裂果を引き起こしやすい品種の場合5%程度透過している場合があり、強光がクチクラ層の性質に影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後、これらの詳しいメカニズムについて解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水疱症がクチクラ層の障害であること、消失した部位をトルイジンブルー染色することで簡易に特定できることなど明らかでき順調に進んでいる。激しく発生させる条件が明らかになっており、部位や時間など詳しく解析できる状態にある。 酵素液を利用しクチクラ層の単離と、分光光度計による波長別吸光度の測定により差異を認めることができたが、面的な解析方法について現在開発中である。
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Strategy for Future Research Activity |
クチクラ層が消失した部位は染色液により簡易に特性可能であり、現在、消失する部位や時間(UVがない状態でどれくらいの時間で消失するのか)などが明らかになりつつある。現在、走査型電顕も使用し、細胞レベルでの変化を観察中である。また、化学的な解析や、遺伝子発現解析についても準備を進めており、予定通りに推移している。 クチクラ層を単離し、吸光度測定による判定方法も使用可能であるが、その値と裂果発生などの障害との因果関係は明らかにできていないので、引き続き研究を進める必要がある。
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Causes of Carryover |
初年度は形態的研究に必要な物品、酵素液、フィルム、染色液、実験器具など少量の消耗品を利用するだけで実験を進めることが可能であった。なお、インキュベータの電気代、電子顕微鏡の使用料などは交付金から捻出を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後実験の進展により、上記の消耗品に加え、化学分析用の器具や薬品、遺伝子解析用の器具や薬品などを購入する予定ある。また、秋の園芸学会(北海道)で発表するための旅費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)