2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and control of the outbreak ecology of the cousative virus of passionfruit deformation in the western Pacific Ocean
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16K07620
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| Research Institution | Kagoshima University |
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Principal Investigator |
岩井 久 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (90183194)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 植物ウイルス / パッションフルーツ / トケイソウ / 西太平洋 / 果樹 / 診断 / 防除 / 亜熱帯 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
１．East Asian passiflora virus (EAPV)によって引き起こされるパッションフルーツ奇形果(PWD)の制御: 奄美大島宇検村湯湾地区に実証試験用の隔離露地圃場を設け、2015年6月に健全挿し木苗を植栽し、以後、約4ヶ月ごとにELISAとRT-PCRを併用した悉皆調査を行った。その結果、2018年3月時点（2年9ヶ月後）には感染を認めなかったが、2018年12月（3年6ヶ月後）の調査で全ての個体がRT-PCRで陽性（ELISAは陰性）となった。即ち、圃場全体に健全苗を植栽したとしても、露地栽培においては、ウイルス病の蔓延を防ぐために、3年後を目途に総植え替えすべきと結論した。以上の結果に基いて、2019年2月に宇検村生涯学習センターにおいて、農家や役場職員を対象に栽培法に関する研修会を実施した。
２．EAPVと異なる新ウイルスの記載: 2013～2015年に秋田、沖縄、鹿児島の3県で広域発生し、EAPVと同じくPotyvirus属と考えられた、ひも状ウイルスについて、その宿主範囲や全塩基配列を精査した結果、新ウイルスであると認め、East Asian Passiflora distortion virus (EAPDV)と命名し、論文報告した [Riska et al. (2019) Journal of General Plant Pathology 85:221-231]
３．EAPVとEAPDVの混合感染によるシナジー効果の研究: 西太平洋地域に広く自生するクサトケイソウはEAPVやEAPDFの中間宿主と想定された。本種に両ウイルスを混合感染させ、リアルタイムPCRによりゲノム量の推移を調べた結果、相互促進効果が認められ、特にEAPDVの増殖がEAPVの共存により顕著に増加した。よって本種は重要な中間宿主であり、栽培園への近在に注意を要する。
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