2018 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling redox potential and nitrous oxide production in soil during biological
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16K07642
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 守弘 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (00355546)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 一酸化二窒素 / 酸化還元 / 有機物 / 灌漑 |
Outline of Annual Research Achievements |
土壌還元消毒は化学物質を使わない防除技術として期待されている.しかし一方で,同消毒過程では酸化還元電位の低下に伴う一酸化二窒素(N2O)の多量発生を引き起こすことが懸念される.本研究では,N2O発生量を増加させない土壌還元消毒条件を検討するため,水・熱移動,有機物分解,酸化還元電位(Eh),N2O発生など一連のプロセスを観測に基づいてモデル化する. 2年目までに,土壌還元消毒前に緑肥を栽培し,それを有機物資材として利用することが有効であることがわかった.また,脱窒のみならず,硝化由来のN2O発生が無視できないことが示唆された.そこで3年目(平成30年度)は,緑肥混合土壌におけるN2O発生機構のモデル化を目的に,硝化,脱窒に関連する機能性遺伝子の増減を調べた.緑肥として,27日間栽培したトウモロコシを用いた.また最近は,緑肥からのエネルギー回収が一部で検討されており,トウモロコシ灰についても検討した. 水分条件が異なる畑地土壌(灰色低地土,表層10 cm)にNH4-N(100 mg kg-1)とトウモロコシ(CC)またはトウモロコシ灰(CC灰)(重量比0.1%)を混合し,最大保水量(WHC)60%,75%,90%条件において25℃で15日間培養した.比較対照としてトウモロコシ無添加処理を作成した.その結果,0.1%程度の添加量では,CC,CC灰の混和がNH4-N添加土壌からのN2O放出に与える影響は認められなかった.一方,NH4-Nを添加した条件にもかかわらず,どの処理においても高水分条件でN2O放出量は増加した.機能性遺伝子解析によって,硝化に続く,脱窒活性の増大がN2O放出量の増加につながったこと等が明らかとなった.
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