2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of insertion sequnces found in the genome of Bacillus subtilis (natto)
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16K07683
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
木村 啓太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, ユニット長 (20353980)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 挿入配列 / insertion sequence / ゲノム進化 / 発現制御 / IS256Bsu1 |
Outline of Annual Research Achievements |
挿入配列(Insertion sequence, IS)は転移酵素(transposase)遺伝子とその両端の繰り返し配列で構成される“動く遺伝子”である.近年多くの細菌ゲノムが解読され,ISとして報告された遺伝子総数は4000を超えた(Siguier, et. al. FEMS Microbiol. Reviews, 2014).ISは転移酵素の働きによってゲノム中を転移し,転移先遺伝子の破壊や断片化などの変異を引き起こすことによってゲノムの構造的進化に重要な影響を与えたと考えられる。しかし、IS自身の発現制御や転移先嗜好性についての知見は十分とは言えない.本研究は,枯草菌(Bacillus subtilis)で見つかった複数のISについて,転移誘発条件と転移先嗜好性,更に,ゲノムからのIS切り出しを制御する因子(IS excision enhancer, iee)の解析を進め,ISによる細菌ゲノム多様性獲得メカニズムとその制御機構解明を目的として行った。 複数あるIS(IS4Bsu1, IS256Bsu1, IS643-like, ISBma2-like, ISLmo1-like)の発現量をRNA-seq法で詳細に調べ、発現条件(栄養条件,増殖フェーズ,UV処理、薬剤処理)を検討し、更に、最も高い発現を示したIS256Bsu1については、転移頻度の定量的な解析法(Jumping cat法、クロラムフェニコール耐性遺伝子(cat)のゲノム内転移を指標)を構築し、転移頻度を測定した。 本研究で得られた最も興味深い結果は、ヘリカーゼドメインを持つ遺伝子(locus tag=BSNT_10618)の破壊によりIS256Bsu1の転移頻度が高くなったことである。BSNT_10618は大腸菌でみつかったIS 転移を促すタンパク質因子Iee(insertion sequence excision enhancer)とも部分的な相同性を持つ。予想に反して、BSNT_10618がIeeとは逆にIS転移を抑制する機能を持つことが示唆されたので、連携研究先(東京農大)と協力しながら関連研究を継続中である。
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Remarks |
Manuscript in Preparation,Production of acetoin from sweet sorghum syrup and beet juice via fermentation, Maureen W, Thomas K, Keitarou K,U.S.Department of Agriculture,Agricultural Research Service,
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Research Products
(6 results)
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[Book] なっとう菌2018
Author(s)
木村啓太郎、高部晴市
Total Pages
32
Publisher
農山漁村文化協会
ISBN
978-4-540-17177-2